錯綜する情報戦の行方
現地では、米国などの肝いりで暫定政権が発足したものの、交渉の窓口としては、全くといっていいほど役に立たず、ジェホは途方に暮れる。刻一刻と迫るタイムリミット。タリバン側の要求は当初「タリバン収監者の解放」だったが、真の意図は分からないままだ。
一度はデシクが現地のフィクサーと交渉し、人質解放の約束を取り付けるが、捕らえられた人質がボランティアを自称していたことがウソだったと知られ、決裂してしまう。性格的に全く水と油であるジェホとデシクは、事あるごと衝突する。あくまでも外交ルートで交渉しようとするジェホと、タリバン政権との直接交渉を主張するデシクの2人では、意見が合うはずもなかった。さらにデシクは、イラクでの人質救出作戦に失敗し、犠牲者を出した痛恨の過去を抱えていた。汚名返上のチャンスをうかがっていたのだ。
遅々として進まない交渉、徐々に追い詰められていく人質たち…。彼らを救うため、ジェホとデシクは不本意ながらも手を組むことにし、身代金を用意する。しかし、身代金を要求した交渉相手は詐欺師であり、身代金を持ち逃げされてしまう。
デシクは決死の覚悟で詐欺師を追い、過酷なアクションの末、カネを取り戻す。その後も政府には、タリバンの“将軍”や“司令官”を名乗る者から次々と連絡が入り、誰が本物で、何が起きているのかも分からず、政府職員は混乱する。