『NOPE/ノープ』の謎を解明! 劇中に登場する不思議な靴の意味をジョーダン・ピール監督がついに語った
映画『NOPE/ノープ』の監督を務めたジョーダン・ピールは、この映画の中で最も悲惨なシーンの途中に出てくる”謎の靴”の意味をついに明かしたようだ。ファンからは様々な憶測が囁かれたが、現地のメディアを参考にどのような意味が込められていたのか、その謎に迫る。
ジョーダン・ピール監督が語る
“逆さに立つ靴”に込められた意味とは?
アメリカの映画メディアScreenRantによると、前2作『ゲット・アウト』や、『US』のように、ピール監督の長編3作目の映画『NOPE/ノープ』は、見る人が独自の解釈ができるようにデザインされている。映画『NOPE/ノープ』には衝撃的なシーンが多いが、中でも、テレビ番組『ゴーディ 家に帰る』にて、チンパンジーのゴーディが、スタジオ内で大暴れし、出演者を次々に殺害する様子を、幼いジュピが目撃するシーンは、最も恐ろしいと評判である。
その過激なシーンの中でも特に不思議なのは、一足の靴が逆立ちしているという点だ。多くのファンは、映画全体のテーマとされている “bad miracles”(嫌な奇跡)と、結び付けてこの現象を解釈している方が多い。
ピール監督は、MTV記者であるJosh Horowitzが行うポッドキャスト『Happy Sad Confused』に出演した際に、 “bad miracles”(嫌な奇跡)と、結び付けたその解釈は正しいと語ったようだ。また、同ポッドキャストで、ピール監督は以下のように語った。
『この靴は、私たちが”トラウマ”から抜け出せる瞬間を表しています。ジュピは、ゴーディが暴れている間に、この小さなメアリー・ジョーの靴に注目した。この靴は、ありえない角度に安定していて、そこにジュピが注目している間は、ジュピは現実の悲惨な状況から、少し解離する。私にとっての靴は要するに、ある意味で不可能なショットで、不可能な瞬間なのです。』
ジュピは、その一瞬の現実との解離により、暴れるチンパンジーのゴーディと目を合わせなくてすみ、結果的にこの”嫌な奇跡”が、ジュピの命を救うことになった。
その後、大人になったジュピは、UFOのGジャンから目を逸らさず、自分はこの不思議な靴によって守られていると信じ、宗教品のように保存し、何が起きたのかをその現象から学ばなかったことを示しているようだ。
一方、主人公であるOJ(オージェー)は、その”bad miracles”(嫌な奇跡)の意味を理解するようになり、Gジャンに連れ去られないようにするためには、視線を逸らすしかないことに気づく。
ピール監督は、映画『NOPE/ノープ』が、間接的に聖書の影響を受けていることについても話しているようで、エイリアンのGジャンのデザインは、聖書の天使や、日本のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に影響を受けていると語ったようだ。
また、ピール監督は、『進化とデザインがぶつかる場所には、未来の答えが出るか出ないかの扉があると思っています』と興味深いことを話した。
ピール監督の発言から、今後も続いて、映画『NOPE/ノープ』に対する、映画ファン達の疑問の答えのようなものが、まだまだ出てくるかもしれない。
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