「衝撃の超駄作…!」ヤバい村を舞台にした迷作映画(5)。バカにしている? 怖くない、的外れの邦題…欠点だらけの衝撃作
text by ZAKKY
近年は、清水崇監督による「恐怖の村」シリーズが話題を集めている。閉鎖的な空間で偏った思想に憑りつかれる住民たち、ジメジメした人間関係、奇妙な風習…。ホラー映画と“村”は実に相性が良いのだ。今回はアジア、ヨーロッパの作品を中心に、“ヤバい村”を舞台にした映画を5本セレクト。後味の悪さが際立つ迷作ばかりを揃えた。今回は第5回。(文・ZAKKY)
使い古されたパターンばかり…。
タイトル負けの超駄作
『人肉村』(2020)
監督:エイドリアン・ラングレー
脚本:エイドリアン・ラングレー、ダニエル・ワイセンベルガー
出演:サイモン・フィリップス、マイケル・スワットン、ジュリー・メインビル
【作品紹介】
最後に、違った意味で“ヤバい”作品を紹介しよう。ドライブ旅行に出かけた男女4人の若者たちが、自然豊かな郊外の一本道を走っていたところ、車が故障して立ち往生してしまう。そんな彼らを、森の陰から“獲物”として狙う者たちがいた。近くの村に住むワトソン一家は道に迷った者たちを拉致しては捕獲し、男は食料に、女は繁殖の道具に利用するという、狂気の食人一家だった…。
【注目ポイント】
あらすじを読んだだけでもお気付きだと思うが、使い古されたホラーストーリーであり、真新しさなど何もなく、パロディーにもなっていない。そして、グロいカニバリズム描写もスプラッターなシーンも皆無で、ホラーファンをバカにしているのかと思えるほど、まったく怖くないのだ。
さらに、『人肉村』と言いつつ、舞台は村でも何でもなく、相手はただの狂った家族。これは邦題を付けた人のセンスの問題だが、広告に偽りありな、ヤバさである。「レッカー車呼んでるから!」と、なぜか主人公たちが故障した車の現場へと戻る行動はまさに意味不明。終盤に出てくる怪物だかなんだかわからない謎の生物も安っぽく、恐怖をそそらない。
(文:ZAKKY)
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