日本映画史上「最も面白い続編」は? 珠玉の名作(2)原作と全然違うのに超面白い…伝説のパート2は?
映画のシリーズ化は、映画ビジネスにおける“勝利の方程式”の最たるもの。一方で続編の製作には、作品を前作に匹敵する、あるいは凌駕するクオリティに仕上げなければならないというプレッシャーが付き物だ。今回は、そんな高いハードルを超えて、観客を魅了した「最高の続編日本映画」をセレクト。魅力を紐解いていく。第2回。(文・村松健太郎)
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『クローズZERO II』(2007)
監督:三池崇史
キャスト:小栗旬、やべきょうすけ、黒木メイサ、金子ノブアキ、三浦春馬、高岡蒼甫、桐谷健太、高橋努、鈴之助、遠藤要、上地雄輔、伊崎右典、伊崎央登、阿部亮平、大口兼悟、蕨野友也、綾野剛、大東俊介、橋爪遼、小柳友、阿部進之介、波岡一喜、深水元基、松重豊、遠藤憲一、岸谷五朗、山田孝之
【注目ポイント】
不良映画というジャンルは日本映画界においてお馴染みのテーマであったが、近年の人気コミックを原作にその時々の若手イケメン俳優を大量に起用するという一連のスタイルを確立させたのが『クローズZERO』(2007)シリーズだろう。そのコンセプトは、映画『東京リベンジャーズ』(2021~2023)シリーズなどにも受け継がれている。
近年の若手スターの登竜門としての不良映画のパイオニアである『クローズZERO』(2007)の続編となる本作は、1作目を上回る興行収入を記録した。小栗旬、山田孝之、桐谷健太ら1作目からのレギュラーメンバーに加えて金子ノブアキ、三浦春馬、綾野剛らが登場し、身体を張ったアクションを披露している。
前作で腕自慢が揃う鈴蘭高校のトップに立った滝谷源治。物語は、鈴蘭のライバルである鳳仙高校との休戦協定が破られたところから幕を開ける。
原作は高橋ヒロシの漫画「クローズ」だが、実写映画化の条件としてオリジナルストーリーであることが求められ、結果として原作シリーズとは一線を画した内容となっている。本作の素晴らしいところは、実写オリジナルのキャラクター、展開を採用しているにもかかわらず、原作ファンからも愛される作品に仕上がっているという点だろう。
シリーズはしばらく間を開けて三池崇史から豊田利晃に監督が変わり、メインキャラクターもほぼ総入れ替えとなった『クローズEXPLODE』が2014年に作られた。
ちなみに、LDHの面々が総出演するアクション映画シリーズ『HiGH&LOW』と合流する形で『HiGH&LOW THE WORST』(2019)と『HiGH&LOW THE WORST X』(2022)という2作品がのちに制作され、上記の作品では鳳仙高校や鈴蘭高校が登場している。映画『クローズZERO』(2007)シリーズのファンは要チェックだ。
(文・村松健太郎)
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