黒歴史どころか最高…!? ミュージシャンの演技が堪能できる映画(3)。鳥肌モノのラスト! 美声が頭にこびりつく
才能あふれるミュージシャン。中には本業以外のジャンルに進出し、活躍する者もいれば、「よせばよかったのに」と叩かれる者もいる…。今回は大物ミュージシャンの演技が堪能できる映画作品を5本ピックアップ。ステージでは無類の存在感を放つカリスマ歌手の、意外な一面が楽しめる作品ばかりを揃えた。(文・ZAKKY)
●世界でも最も稼ぐミュージシャンが体当たり演技に挑戦!
レディー・ガガ
『アリー/ スター誕生』(2018)
上映時間:135分
製作国:アメリカ
監督:ブラッドリー・クーパー
脚本:エリック・ロス、ブラッドリー・クーパー、ウィル・フェッターズ
キャスト:ブラッドリー・クーパー、レディー・ガガ、アンドリュー・ダイス・クレイ、デイヴ・シャペル、サム・エリオット
【作品内容】
1937年公開の『スタア誕生』(監督はウィリアム・A・ウェルマン)の3度目のリメイク。人気歌手のジャクソン・メイン(ブラッドリー・クーパー)は、すっかり老いぼれ、酒とクスリに溺れる日々を送っていた。兄のボビーはそんな彼を更生させようと必死だ。ある日、ジャクソンは、ふらりと立ち寄ったミュージックバーで、ウェイトレスのアリー(レディー・ガガ)の歌声に心を揺さぶられ、次のコンサートに抜擢しようとするのだが…。
【注目ポイント】
全世界で1億7000万枚以上のCDを売り上げるビッグアーティスト、レディー・ガガ。ミュージシャンとしてのみならず、オピニオンリーダーとしても注目を集める彼女だが、2013年にアクション映画『マチェーテ・キルズ』に出演して以来、役者としても精力的に活動している。そんな女優・ガガ様の代表作が本作だ。
ガガが演じるのは、音楽業界での成功を夢見ながらも、いまいち自信が持てず、場末のバーで鬱屈した日々を送るウェイトレス。監督も兼任したブラッドリー・クーパー扮するロック歌手に見出され、スターダムを駆け上がっていくプロセスは小気味の良いテンポで描かれ、クライマックスまで緊張感が途切れることはない。
『フォレスト・ガンプ』(1994)など、数々の名作を手がけたエリック・ロスをはじめとした精鋭シナリオライター陣による、ツボを押さえたストーリー展開もさることながら、本作の美点として第一に挙げられるのが、レディ・ガガの力強い芝居である。
本業である歌唱シーン以外でも、繊細な演技を披露し、第91回アカデミー賞では最優秀主演女優賞にノミネートを果たした。本作出演後の快進撃をみると、歌手と女優の二足の草鞋を履く稀有な才能として、レディー・ガガは最も成功した存在であると言えるかもしれない。
注目ポイントは多いが、とりわけ、終盤の歌唱シーンは鳥肌モノ。夢の舞台で響かせるパワフルで美しい歌声は鑑賞後、何日経っても頭にこびりつくほど強烈だ。充実のサウンドトラックもぜひチェックしてほしい。
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