世界観ぶち壊し…大失敗のゲーム実写化映画(1)。日本への嫌がらせ? 観るに耐えない改変の嵐
優れたゲームを輩出することで、世界的にそのブランド力が認められている日本。今回は、日本発の名作ゲームを映画化したものの、ゲームファンから不評を呼んだ失敗作を厳選してご紹介する。原作の雰囲気をぶち壊した作品からストーリーが捻じ曲げられてしまった作品などをセレクト。観ていて思わずリセットボタンを押したくなる作品ばかりを揃えた。今回は第1回。(文・ZAKKY)
●ガイルが主人公なのは許せるが…。リュウとケンが詐欺師という設定はいかがなものだろうか?
『ストリートファイター』(1994)
監督:スティーヴン・デ・スーザ
脚本:スティーヴン・デ・スーザ
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ラウル・ジュリア、ミンナ・ウェン
【作品内容】
東南アジアの軍事国家シャドルーで活動していた国連派遣医療団が、独裁者バイソン将軍に拉致される。バイソンは連合軍の司令官ガイル大佐へ巨額の身代金を要求し、72時間以内に金を払わない場合は人質全員を殺すと脅す。そして、捕らえたえた国連兵士を使い、恐るべき人体実験を行おうとしていた。
【注目ポイント】
カプコンが1987年に開発して以来、全世界でのシリーズ総販売本数は 4800万本を超える「ストリートファイター」。ある年代以上の男性であれば、一度はプレイしたことがあるだろう、言わずと知れた対戦型格闘ゲームの名作である。
そんな人気ゲームを、およそ3500万ドル(約47億円)かけて、ハリウッド資本で実写映画化したのが本作である。そのため、ゲーム版の主人公が「波動拳」などでお馴染みの日本人・リュウであるのに対し、映画版では米軍大佐のガイルが主人公となっている。
とはいえ、この改変は、新鮮に感じられる。ガイルを演じるのは、ジャン・クロード・ヴァンダム。正直、この時点で、世にごまんと存在する凡百のB級アクション映画と代わり映えのない印象ではあるが、ヴァンダムの卓越したアクションはしっかりと堪能できる。
一方、本作にはゲームファンにとって納得しがたい改変も施されている。ゲームの主人公・リュウと、その良きライバルであり親友のケンが、実写版では、怪しげな東洋人であり、しかも詐欺師、という無茶苦茶な設定となっているのだ。強い言葉を使えば、これは、ゲームファンにとって許しがたい「蛮行」である。当時、本作を製作した大手映画会社・ユニバーサル・ピクチャーズに本気でクレームを入れようとしたファンが続出しただろうことは想像に難くない。
さらに、ゲームでは屈強な肉体がウリのザンギエフが、映画版ではなぜかヒョロヒョロ体型で登場。また、日本を象徴するようなキャラクターであるエドモンド・ホンダが悪役であるなど、ゲームファンへの嫌がらせとしか思えない設定変更が随所で行われている。
また、彼らのアクションもワイヤーに引っ張られているだけという印象が強く、ジャン・クロード・ヴァンダムの本格派アクションとの差がありすぎて、観るに耐えない。
ちなみに、このハリウッド実写版をゲーム化した『ストリートファイター・リアルバトル・オン・フィルム』という作品が存在するのをご存知だろうか。こちらのゲームが発売されるや、ファンが二度目のブチギレを起こしたのは言うまでもない。
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