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「無理ゲー過ぎる…!」 トンデモ設定の恋愛日本映画(1)。涙腺崩壊は確実…切なすぎる”触れられない恋”

text by 編集部

先生と生徒や不倫…。恋愛映画には様々な禁断の関係があり、我々の興味を引きつける。でも最近似たようなものばかりでつまらない…。予想できるような関係性に飽き飽きした方へ、そもそも設定から無理じゃない? と思わざるを得ない日本の恋愛映画をピックアップ。観れば恋愛の幅が広がること請け合いの5本をセレクトした。

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人間と映画の登場人物が恋に落ちる…。
綾瀬はるか×坂口健太郎共演の異色のラブロマンス

『今夜、ロマンス劇場で』(2018)


出典:Amazon

上映時間:108分
製作国:日本
監督:武内英樹
脚本:宇山佳佑
キャスト:綾瀬はるか、坂口健太郎、本田翼、北村一輝、中尾明慶、石橋杏奈、柄本明、加藤剛

【作品内容】

映画監督を目指す健司(坂口健太郎)は、モノクロ映画のヒロインである美雪(綾瀬はるか)に心を奪われ、スクリーンの中の彼女に会うために日々映画館に通い続けていた。そんなある日、美雪が実体となって健司の前に現われる。しかし美雪はある秘密を隠していたのだった…。

『レジェンド&バタフライ』の綾瀬はるかと『サイド バイ サイド 隣にいる人』の坂口健太郎が共演したラブロマンス。『翔んで埼玉』、『テルマエ・ロマエ』シリーズの武内英樹がメガホンをとり、『信長協奏曲』の宇山佳佑が脚本を担当している。

【注目ポイント】

女優の綾瀬はるか
女優の綾瀬はるかGetty Images

映画の登場人物がスクリーンを越えて現実にやってくる…。『キートンの探偵学入門』(1924)からウディ・アレン監督の名作『カイロの紫のバラ』まで、そうした設定の映画はこれまで数多く作られてきた。そんなクラシカルな物語をかつての日本を舞台にして描いたのが本作である。

モノクロ映画からスクリーンを超えて現実世界に登場した美雪は、体に色味がない。そこで健司が化粧品をそろえて彩色を施し、他の人間と同じように生活することに。

2人はだんだん惹かれ合っていくのだが、美雪はなんと人のぬくもりに触れると消えてしまう。健司と美雪は、お互い想い合っているのに、触れることができないのだ。

これは恋人同士にとって致命的では? と感じてしまうが、むしろこの設定が物語を切なくする重要なポイントとなっている。そもそも、スクリーンを見つめる観客は映画の登場人物に触れることができず、あくまで見つめることしかできない。その点、上記の設定は映画体験のメタファーとして読み解くこともできる。

最大の見どころは病室を舞台にしたラストシーンだろう。年老いて寝たきりの健司といつまでも若くきれいな美雪。2人は初めて抱き合いながら健司は息を引き取り、美雪は魔法が解けて消えていく。

その後の回想シーンでは、ガラス越しに口づけを交わしたりと、触れられないからこその切ない愛の軌跡が思い返されていく。涙腺崩壊必至のエンディングをぜひ堪能してほしい。

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