世界絶賛! 最も偉大なボクシング映画は? 珠玉の超名作映画(3)男前が衝撃の姿に…狂気の役作りが光る傑作
スポーツを題材にした映画は、人々の心を熱くさせる力を持つ。その中でもボクシング映画は人気があり、今でも多くの作品が生み出されている。目標に向かって苦しみながら努力する姿や、負けたくないという意地だけで立ち上がる姿には、経験者ではなくとも背中を押される。そこで今回は洋画のボクシング映画を5本セレクトしてご紹介する。
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クリスチャン・ベールの常軌を逸した役づくりが光る
ファミリードラマとしても見応え抜群な一本
『ザ・ファイター』(2010)
上映時間:115分
原題:The Fighter
製作国:アメリカ
監督:デビッド・O・ラッセル
脚本:スコット・シルバー、ポール・タマシー、エリック・ジョンソン、キース・ドーリントン
キャスト:マーク・ウォールバーグ、クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、メリッサ・レオ
【作品内容】
1993年、マサチューセッツ州ローウェルが舞台。
プロボクサーのミッキー(マーク・ウォールバーグ)は、マネジャーを務める母アリス(メリッサ・レオ)が組んだ不利な対戦カードやマネジメント、周囲からの過度の期待のせいで負けが続いていた。
ミッキーは兄ディッキー(クリスチャン・ベール)からボクシングの全てを教わった。兄は実力派で、カリスマ性に溢れている一方、怠惰で傲慢、誘惑に弱い性格が災いし、麻薬に手を出してしまう。
それにも関わらず、弟に対しては、自分なしでは何も出来ない奴だと威張り散らすのだが…。
【注目ポイント】
本作の主人公は、類まれなボクシングセンスを誇り、期待を一身に背負うカリスマ性のある兄ディッキーと、地味で目立たない弟ミッキー。周囲から「叶わぬ夢」とあざ笑われた、世界チャンピオンへの切符を、二人三脚でつかみとった異父兄弟の奇跡の実話を映画化した作品だ。
兄の支えで世界の頂点を目指すミッキーをマーク・ウォールバーグが熱演している。さらに、13キロ減量し、歯並びを変え、髪の毛を抜いてまで兄ディッキーになりきったクリスチャン・ベールはアカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演男優賞を受賞した。
ボクシングのシーンもさることながら、その根底には、家族間、兄弟間の愛や近親憎悪も描かれる家族をめぐるドラマだ。
特に母による過干渉は、現在でいうところの“毒親”という表現がぴったり。そんな母からの呪縛から解き放たれ、ボクシングを通じた兄弟愛が描かれている点に、美しさを感じる名作となっている。
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