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社会現象級…続編が観たい! 日本史上最高の民放ドラマ(5)愛しかない! 10年後の今こそ続きが観たい名作

text by 寺島武志

毎年、数多くのドラマ作品が誕生する中、時として社会現象を巻き起こすこともある民放ドラマ。人気作品ほどシリーズ化し、長く愛される傾向が強い中、事情により単発で終了したり続編製作が不可能となってしまう名作も少なくない。今回は、今こそ続編が観たい名作民放ドラマ5本を厳選し、作品の魅力を解説しながらご紹介する。(文・寺島武志)

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「マル・マル・モリ・モリ!」のテーマでお馴染み

『マルモのおきて』(2011)


放送期間:2011年4月24日~7月3日
放送時間:日曜21:00~21:54
放送局:フジテレビ系
脚本: 櫻井剛、阿相クミコ
最高視聴率:23.9%
キャスト:阿部サダヲ、芦田愛菜、鈴木福、比嘉愛未、伊武雅刀、世良公則、滝沢沙織、鶴田真由、本田望結、児嶋一哉

【作品内容】

独身アラフォーのサラリーマン・高木護(阿部サダヲ)は、突然亡くなった親友の忘れ形見である薫(芦田愛菜)と友樹(鈴木福)の双子、そして双子が拾ってきた何故か人間の言葉を話す犬・ムックを引き取ることに。育児に悪戦苦闘しながらも、3人と1匹で手と携えながら生きる姿を描いている。

民放の連続ドラマ初主演の阿部サダヲに加え、当時6歳だった芦田愛菜、鈴木福がブレークするきっかけとなった作品、愛犬・ムックの存在も含め、東日本大震災に沈んだ日本の空気を温かく包むような展開によって、徐々に人気を集め、初回の視聴率11.6%から、最終話では倍以上の23.9%を記録したファミリードラマだ。

【注目ポイント】

芦田愛菜【Getty Images】
芦田愛菜Getty Images

同作が放送された時期は、”絆”という言葉が頻繁に叫ばれ、人の結びつきが見つめ直されるタイミングだった。そんな状況において、血の繋がりはなくても互いを支え合う3人プラス犬1匹の心温まる日常に、勇気づけられたという人も多かったと思われる。

なかなか“父親”になれない護の不器用さが時に笑いを生み、時にホロリとさせられる。引き取った幼子と同じ目線であろうとする愚直な姿は、心に多少なりとも傷を負い、不安の中で過ごしていた当時の日本人に安心感をもたらした。

また、本作を語る上で外せないのが芦田愛菜と鈴木福の名子役だ。誕生日が6日違いの2人は、本物の双子のようで、護を間違えて「マルモ」と呼ぶ様子は無邪気そのもの。しかしながら、親を失った寂しさ、健気さも漂わせながら、大人の顔色を伺う様子など、微妙な感情表現に至るまで完璧に演じてみせたのだ。その後の2人の成長と活躍は誰もが知るところだ。

さらに、ドラマのエンディングテーマ「マル・マル・モリ・モリ!」は、その愛らしいダンスとともに大ヒット。紅白出場も果たし、社会現象にもなった。
2014年には特別番組として“続編”が放送され、ドラマから3年の月日が経ち、小学4年生になった2人が描かれた。

もし現在、続編が作られるとすれば、愛菜ちゃんも福くんも大人になり、護も老いを感じる歳だ。いずれも芸達者であるから、歳を重ねた3人を見てみたい気もするのだ。社会に出た薫と友樹が、育ての父である護に説教をする…。そんなシーンを想像するだけで、思わずワクワクしてしまう。
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