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面白すぎて大満足! 2023年、最高の民放ドラマ(3)まさかの考察系!? 緻密な物語がSNSで大盛況

text by 寺島武志

今や配信作品が増え続け、あらゆるタイプの作品を視聴できるようになり、視聴者はその度に鑑賞する作品の選択に迫られる。そんな中、民放ドラマも負けじと魅力のある作品を制作し続けている。今回は、社会現象となった『VIVANT』をのぞき、クオリティーの高かった民放ドラマをセレクト。作品の魅力も解説する。(文・寺島武志)

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タイトルでは想像がつかないストーリー
緻密なミステリーがSNSを沸かせた考察系ドラマ

『ハヤブサ消防団』


出典:Amazon

放送期間:7月13日~9月14日
放送時間:木曜21:00~21:54
放送局:テレビ朝日系
脚本:香坂隆史
原作:池井戸潤
最高視聴率:10.6%
キャスト:中村倫也、川口春奈、満島真之介、古川雄大、岡部たかし、梶原善、橋本じゅん、山本耕史、生瀬勝久、麿赤兒、村岡希美、小林涼子、福田転球、金田明夫

【作品内容】

ミステリー小説作家の三馬太郎(中村倫也)が、亡き父が住んでいた実家と墓のある岐阜県の山間の集落「ハヤブサ地区」に赴き、その自然豊かな景観に惹かれ、東京から移住する。

しかし、ハヤブサ地区では放火とみられる火災が頻発しており、三馬は、村を守りたい一心から、断り続けていた「ハヤブサ消防団」に入団することに…。

【注目ポイント】

俳優の中村倫也
中村倫也Getty Images

これほどタイトルと内容がアンバランスなドラマも珍しいのではないだろうか。『半沢直樹』(2004年)や『下町ロケット』(2010年)など、三菱銀行勤務の経験を生かした経済小説を得意とする池井戸潤が、「作風を広げたい」と、エンタメ路線に進むことを決意。その1つが本作の原作小説だ。

自然豊かな田舎が舞台に、連続放火事件の犯人を探すのが当初の目的だったのだが、やがて「アビゲイル教団」というカルト宗教団体が絡んでくる。序盤、一見してのどかに見えたハヤブサ地区も、そこに暮らす穏やかだったはずの人々も、徐々に全てが怪しく見えてきてしまう。この巧みな演出こそまさにミステリードラマの醍醐味だろう。

主演の中村倫也だけでなく、脇を固める名バイプレーヤーたちも話題になった本作だが、中でもヒロイン・立木彩は、なんとかつてアビゲイル教団の信者という難しい役どころ。立木を演じた川口春奈の怪演も記憶に新しい。正体が判明したのちも、本当にこの人を信じて良いのか、最後の最後で裏切るのではないか。そうハラハラしながら最終回まで見届けた方も多いのではないだろうか。

緻密なミステリーに、宗教やムラ社会が持つ独特の恐ろしさというエッセンスを加え、“さすがは池井戸潤”といったシナリオによって、回を重ねる毎に視聴率を上げていき、最終回には10.6%を記録した。

現在、流行している“考察系ドラマ”でもあり、毎回の放送後、SNSでの犯人捜しで盛り上がった作品でもある。

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