実は最悪の結末だった…評判悪すぎてラストが変わった名作映画(5)下品すぎて変更…最高傑作に変えた決断は?
映画製作ではしばしば、スタジオの影響や、プレビュー上映の観客の反応などから脚本がリライトされ、映画監督のビジョンが大幅に変更することがしばしばある。とりわけ、結末のリライトは、物語が思いもよらない方向へと変えてしまう場合もある。今回はScreen Rantを参考に、元々のストーリーとは異なる”消えたストーリーライン”を紹介しよう。
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「そんなの最低だ」
当初のエンディングは全くの別物だった!
『タイタニック』(1997)
上映時間:194分
監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン
キャスト: レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼイン、キャシー・ベイツ
【作品内容】
タイタニック号の沈没から84年の歳月が過ぎたある日。タイタニック号と共に沈んだダイヤモンド「碧石のハート」の捜索を行うため、海底深くに沈んだタイタニック号の調査が行われる。しかしタイタニック号から出てきたのは、ダイヤで着飾った女性の絵であった。その後、一人の老女が絵のモデルとして名乗りを挙げる…。
【注目ポイント】
映画史上の名作として語り継がれる『タイタニック』。そのエンディングが、元々の脚本から大幅に変更されていたと聞いて、驚く人は少なくないだろう。
本作のエンディングシーンは、ご存知の通り、タイタニック号での画家志望の青年ジャックとの思い出を語り尽くした老女ローズが、「碧洋のハート」を海に投げ入れるという実に切なく美しいものだ。これに対し、元々の脚本では、トレジャーハンターのブロックとの間の醜い争いが描かれていた。
その詳細とは、年老いたローズが、それ以上近づいたらダイヤを海に落とすと周囲を脅し、ブロックたちが「やめてくれ!」や、「そんなの最低だ」といったセリフを叫ぶといったものだ。
キャメロンは、このエンディングを編集中、エンディングの下品さを認識し、すぐさまローズが「碧洋のハート」を海に投げるシーンへと変更した。キャメロンのこの賢明な判断が、本作のアカデミー作品賞受賞の一因となったのかもしれない。
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