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街から女性が消えた…社会現象を巻き起こした伝説の民放ドラマ(5)「ねぇ、セックスしよ」日本が熱狂した恋愛物語

text by 寺島武志

人気ドラマが社会現象が起こし、”○○現象”と名付けられることがあるのは周知のことだろう。中には、当時の世情や時代背景をご存じない人からしてみれば、本当にそんなことが…?と疑うような事態が起きたことも。今回は、伝説の社会現象を引き起こした民放ドラマを5本セレクト。起きた現象についても詳しくご紹介する。(文・寺島武志)

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「月曜日はOLが街から消える」
”月9”のイメージを築き上げた伝説のラブストーリー

『東京ラブストーリー』

俳優の織田裕二
織田裕二Getty Images

放送期間:1991年1月7日~3月18日
放送時間:月曜21:00~21:54
放送局:フジテレビ系
原作:柴門ふみ
脚本:坂元裕二
最高視聴率:32.9%
キャスト:鈴木保奈美、織田裕二、有森也実、江口洋介、西岡徳馬、中山秀征、伊藤美紀、千堂あきほ

【作品内容】

愛媛から東京に転勤してきた永尾完治(織田裕二)は、帰国子女で奔放な同僚・赤名リカ(鈴木保奈美)に迎えられる。完治は高校時代から片思いする関口さとみ(有森也実)と再会し、告白するものの、すれ違いを経て、さとみは完治の幼馴染である三上(江口洋介)を選ぶ。

失恋の痛手により、完治はリカと一夜を共にしてしまう。流されるまま、自分を好きなリカと付き合う完治。

しかし、三上とさとみが別れたことにより、完治とリカの関係も壊れ始める…。

【注目ポイント】

愛媛県から東京の会社に転職し、上京してきた織田裕二演じる「カンチ」こと永尾完治が、同僚となる鈴木保奈美が演じる赤名リカの交際を中心に描いた、若者たちの恋愛群像劇である本作。柴門ふみの漫画を原作とし、坂元裕二が脚本を担当した。

いわゆる“月9枠”の代表作であり、“月9枠=トレンディードラマ”のイメージを定着させた作品でもある。

最終回の視聴率は32.9%。カンチの故郷である愛媛県のロケ地「梅津寺駅」は同ドラマの聖地となり、現在でも観光名所だ。

さらに、カンチに対し「ねぇ、セックスしよ」というリカの言葉がきっかけで交際が始まるという、当時としては斬新なストーリーと、「月曜日の夜は街からOLが消える」ほどの社会現象を巻き起こし、鈴木保奈美をスターダムに押し上げ、小田和正による主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」もメガヒットを記録し、小田の代表曲となった。

片や、2人の恋路を阻む存在として登場するカンチの高校時代の同級生・関口さとみを演じた有森也実は、駅で石を投げられたり、ファンレターを偽装しカッターの刃を送り付けられるなどの嫌がらせを受けたという。それほどまでに、本作に没入した視聴者もいたということを示すエピソードだ。

2020年には、カンチを伊藤健太郎が、リカを石橋静河がそれぞれ演じた“令和版”が製作され、FOD、Amazon Prime Videoなどで配信された。

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