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名作日本映画ぶち壊しの駄作…史上最悪のリメイク映画(3)エンドロール後に衝撃…アテレコもズレズレの黒歴史

text by 編集部

日本映画が海外でリメイクされている作品がいくつか存在するが、今回はその中から史上最低の映画をセレクト。興行的には成功した作品でも、オリジナルファンを憤慨させる駄作や、監督が嫌々で制作したもの、そもそも公開に至らなかった作品など、あらゆる方向からワーストリメイク映画を選出した5本を紹介する。

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アテレコが合ってない…。エンドロール後の演出に失笑。

『マンハント』(2017)

福山雅治
福山雅治Getty Images

上映時間:110分
原作:『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年)
製作国:中国
監督:ジョン・ウー
脚本:ニップ・ワンフン、ゴードン・チャン、ジェームズ・ユエン、江良至、ク・ゾイラム、マリア・ウォン、ソフィア・イェ
キャスト:チャン・ハンユー、福山雅治、チー・ウェイ、ハ・ジウォン、國村隼、竹中直人、倉田保昭、斎藤工、アンジェルス・ウー、桜庭ななみ、池内博之、TAO、トクナガクニハル、矢島健一、田中圭、ジョーナカムラ、吉沢悠

【作品内容】

中国で最もヒットした高倉健主演の日本映画『君よ憤怒の河を渉れ』(1976)をリメイクした作品。

製薬会社の顧問弁護士を務める男ドゥ・チゥはパーティの翌朝目を覚ますと、女性の死体が横たわっていた。さらに現場には彼が犯人だという証拠が残され、犯人に仕立て上げられ逃亡することに。

一方、独自に操作を進める敏腕弁護士・矢村は、彼と接するうちに彼が無実であることを確信する。

【注目ポイント】

社長を務めていた大映を倒産させ、財産をすべて売却した上で映画界に復帰した永田雅一のプロデュースの下、無実の罪を着せられた高倉健演じる現職の東京地検の検事・杜丘冬人が、執拗な刑事の追跡をから逃れながら真犯人を追っていくサスペンスアクション映画『君よ憤怒の河を渉れ』。

1979年には中国で『追捕』というタイトルで公開され、文化大革命後に初めて公開された外国映画となった。無実の罪で終われる杜丘の姿と、文革の中で理不尽な扱いを受けた中国人が自身の姿を重ね合わせ、観客の共感を呼んだ。中国での観客動員数は8億人にも達し、主要キャストの高倉健や中野良子らは中国でも人気となった。

そんな作品を中国でリメイクしたのが『マンハント』だ。『男たちの挽歌』シリーズで知られるジョン・ウーがメガホンを取り、チャン・ハンユーと福山雅治がダブル主演を務めた。

中国製作の映画ながら日本でのオールロケによって撮影された。原作では中野良子が演じた遠波真由美が中国人とのハーフだという設定以外はオリジナル版からの改変はない。

若かりし頃の高倉健や原田芳雄のダンディーさが前面に出ていたオリジナル版と比べると、“スケールダウン感”は否めない。また、日本人キャストの声と口の動きが合わないというアテレコの失敗が話題になるなど、原作を知る映画ファンからは散々の評価を受けた。

極め付きは、エンドロール後に、福山雅治とジョン・ウー監督の対談が始まるというお粗末さで、観客から失笑を買ってしまう始末。福山雅治にとってはとんだ“黒歴史”となってしまった作品だが、逆に原作に出演した高倉健や原田芳雄の魅力が再確認されることにもつながった作品でもある。

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