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「クズが拷問で…!?」妻夫木聡が出演する最高の映画(1)。凄まじい役作り! イケメンからカメレオンになった分岐点

text by ZAKKY
俳優の妻夫木聡
Getty Images

11月18日公開の話題作『ある男』で主演を務める、妻夫木聡。1998年にテレビドラマ「すばらしい日々」で俳優デビューして以来、着実にキャリアを積み重ね、名実共に現代の日本映画界になくてはならない名優となった。そんな彼の、今一度振り返りたい出演作を5本セレクトした。(文:ZAKKY)

『スマグラー おまえの未来を運べ』(2011年)


出典:Amazon

監督:石井克人
原作:真鍋昌平
脚本:石井克人、山口雅俊、山本健介
キャスト:妻夫木聡、永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり、安藤政信

原作は真鍋昌平の漫画であり、時代設定は1999年。借金を背負わされ、裏の世界でワケありのブツを運ぶ運送屋になった、妻夫木演じる主人公・砧涼介が、人間として成長する様子を描いている。

周囲の役者陣が演じるキャラクターが濃すぎるため、埋もれがちに見えるキャラクター像。しかし、その中でも、唯一無二の存在感を放つ妻夫木の芝居。「役者崩れのフリーター」という何ともダルい人間像を表現する絶妙さ加減。そして、ひょんなことから、裏稼業に転じることになってゆく様も、また、軽妙である。

マフィアなど、裏社会との抗争がメインであるが、随所にギャグパートも挿入され、実に心地のよいテンポ感。危機に陥った際の、なんとも情けなくも何とかしてくれそうな表情も、さすがの一言。

また、「背骨」というキャラクターになりきる場面では、それまでの頼りない人物像からは一転し、違った表情を見せる芸達者ぶり。ちなみに、前作『悪人』ではガッチリとしていた体型を、本作のために、あえて不眠や外食や不摂生な生活を繰り返すことで、ボテッとしたスタイルに肉体改造。カラダを張った役作りに、石井克人監督も驚愕したという。

イケメン俳優からカメレオン俳優へ。本作は妻夫木聡のキャリアを振り返る上で、分岐点となった作品であると言えるだろう。

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