史上最低のNHK大河ドラマは…? 評判最悪なガッカリ作品(4)なにそれ!? 24歳が6歳役…ぶっ飛びの衝撃
1963年に始まり、現在まで連綿と受け継がれてきたNHKの大河ドラマ。2023年現在までに62作ものドラマが作られてきたが、当然、その中には残念ながら視聴者からの評判が振るわない作品も存在する。今回は、歴代の大河ドラマ作品の中で、特に視聴者から評判が悪かったとされるワースト作品を5本紹介する。(文・寺島武志)
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”ファンタジー大河”と揶揄されるも
女性中心の大河ドラマとして実験的作品
『江~姫たちの戦国~』(2011)
主人公:江(崇源院:浅井長政の三女で江戸幕府2代将軍・徳川秀忠の正室)
放送期間:2011年1月9日~11月27日
脚本:田渕久美子
原作:田渕久美子『江 姫たちの戦国』
最高視聴率:22.6%
主演:上野樹里
【作品内容】
織田信長(豊川悦司)の妹・お市の方(鈴木保奈美)と浅井長政(時任三郎)の間に生まれた、淀(宮沢りえ)、初(水川あさみ)、江。三女である江(上野樹里)の生涯を描いた物語。
”浅井三姉妹”と呼ばれる彼女らの人生は時の権力者たちに翻弄され波乱に満ちた人生を送る。江は、三度の結婚を重ね、徳川二代将軍・秀忠(向井理)の正室となるも、三姉妹の運命は分かれることに…。
【注目ポイント】
浅井長政と織田信長の妹・市の三女として生まれ、後に徳川家康の嫡男・秀忠(向井理)の妻となった江(上野樹里)の数奇な運命を描いたドラマ。
田渕久美子による脚本が史実と違い過ぎる点や、淀(宮沢りえ)、初(水川あさみ)との浅井三姉妹の少女期について、淀は芦田愛菜が、初は奥田いろはといった子役が演じた一方、江だけが少女期も上野樹里が演じたことで、視聴者に違和感を与えた。
上野の演技は、彼女の出世作のフジテレビ系ドラマ『のだめカンタービレ』(2006)のイメージそのままで、“ファンタジー大河”とも呼ばれた。かといって「駄作」だったというわけでもなく、放送された2011年には東日本大震災が発生したということもあってか、殺伐とした武将同士の殺し合いの物語ではなく、家族愛溢れる内容が視聴者に束の間の癒しを与えた功績もあった。
「史実」という視点でいえば、間違いなく歴代大河の中でワーストだろう。しかしながら、当時の時代背景を忠実に再現させようとすれば、血生臭い戦のシーンばかりになってしまうのは必定だ。
女性を主人公にした場合の難点は、歴史の転換点となる出来事に大きく関わらせるのが難しいことだろう。当時、女性は裏で役割を果たすことがほとんどだったからだ。女性主人公を歴史に絡ませるためには、多少、無理があっても、そこに首を突っ込ませないとならなくなる。加えて、そのキャラクターや状況を説得力のある設定にしないと、不自然さが際立ってしまうのだ。
様々な面で試行錯誤しながら、女性を中心とした物語を大河ドラマに落とし込んだ実験的作品だった本作。「失敗作」と烙印を押すことは簡単だが、後に続く女性主演の大河に、大きな教訓を残したことも事実だ。
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