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まさかの駄作…?日本が世界に誇る名監督の黒歴史映画(3)「ジブリのパクリ」…寝込むほどの爆死だったのは?

text by 編集部

「弘法にも筆の誤り」という言葉があるように、どんな達人でもときにあり得ない失敗をしてしまうことがある。とりわけ映画の場合は、スポンサーの意向が大きく働くため、どんな巨匠でも駄作を作ってしまう可能性が大いにある。今回は日本映画界を代表する監督たちの知られざる”黒歴史”を、彼らの偉大さと併せて紹介しよう。(文・編集部)

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モヤモヤが拭えない新海誠の初期作品

新海誠『星を追う子ども』(2011)

監督の新海誠【Getty Images】
監督の新海誠Getty Images

監督:新海誠
原作:新海誠
脚本:新海誠
出演:金元寿子、入野自由、井上和彦

【作品内容】

ある日、父が遺した鉱石ラジオから、不思議な唄が聞こえてきた。主人公のアスナは、まるでその曲に導かれるように謎の少年シュンと出会う。地下世界アガルタからやって来たというシュン。2人は次第に心を通わせていくが、ある日突然シュンが姿を消してしまう。シュンとの再会を望むアスナだったが、彼女の前にシュンと瓜二つの少年シンと、妻との再会を望む新任教師モリサキが登場。3人はそれぞれの想いを胸に、地下世界アガルタへと旅に出る…。

【注目ポイント】

『君の名は。』(2016)の記録的ヒットにより、日本のアニメ業界を牽引する存在となった新海誠。そんな新海が2011年に制作した4作目の劇場用アニメーション映画が、この『星を追う子ども』だ。

異界としての地下世界や死者の蘇生など、本作には他の新海作品にも通じる民俗学的なモチーフが多々登場する。しかし、本作の評判は、他作品と比べても著しく低い。その理由は、キャラクターデザインやアクションシーンなど、とにかくあらゆる設定が「ジブリそのもの」だからだ。

例えば、主人公アスナは、『となりのトトロ』(1988)のサツキを連想させるキャラクターデザインで、謎の少年シンに至っては『ゲド戦記』(2006)のアレンそのもの。そして、鉱石ラジオに使われている鉱石グラヴィスは、まんま『天空の城ラピュタ』の飛行石だ。

なお、公開当時は、「ジブリのパクリ」と散々に叩かれ、観客動員数1.3万人、興行収入2,000万円の大爆死を記録。あまりのショックに新海は高熱を出して寝込んでしまったのだという。

なお、本作のジブリっぽさについては新海は当然自覚しており、制作当初は各作業を専門のスタッフに一任し、日本のアニメの伝統的な作り方で完成させることを目指したという。そういう意味で本作は、後の新海作品の露払いとなる作品だったといえるかもしれない。

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