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最もつまらないコナン映画は…? 期待外れの名探偵コナン劇場版(4)5億円ダウン…印象に残らぬ悲しい理由は?

大人から子どもまで幅広い世代から支持される『名探偵コナン』シリーズ。劇場版の総数は2023年時点で26作を誇るが、その中には残念ながらファンからの評判が振るわなかった作品も存在する。今回は、「劇場版 名探偵コナン」の中から最も残念とされる作品を5本セレクト。その理由まで詳しく解説する。(文・ガラガラ)

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蘭と園子の友情にインパクトが足りず
全体的に盛り上がりに欠ける…。

『名探偵コナン 紺碧の棺』(2007)

写真:映画チャンネル編集部
写真映画チャンネル編集部

上映時間:107分
監督:山本泰一郎
原作:青山剛昌
脚本:櫻井武晴
キャスト:高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、松井菜桜子、山口勝平、林原めぐみ、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江

【作品内容】

コナンたちは、太平洋に浮かぶ“神海島(こうみじま)”へ訪れていた。

その島には、海に沈む古代遺跡“海底宮殿”と、300年前に実在した女海賊“アン・ボニー”と“メアリ・リード”の財宝の伝説が語り継がれていた。

財宝を求めて3人組のトレジャーハンターも訪れていたが、スキューバダイビングの際にハンターの1人がサメに襲われて死亡する。一見、不運な事故に思えるが、コナンは不審に思っていた。

神海島の財宝のありかとトレジャーハンターの狙いはいったい?

【注目ポイント】

劇場版第11作。本作は、300年前の女海賊が残した財宝を探すというストーリー。その女海賊“アン・ボニー”と“メアリ・リード”は互いに背中を預けて戦ったという友情も一つのテーマとなっている。

しかし、財宝を探すという流れは今一つ盛り上がらない。作中で映るのは町おこしのスタンプラリーのシーンが大半だからだ。そのスタンプラリーには暗号があって、コナンらしい要素ではあるのだが、映画としては迫力に欠けてしまう。例えば洞窟に入って宝探しをするとかそのような探検要素も少ない。

一応、暗号の謎をコナンが解くのだが、それも犯人に先を越されていて、コナンの見せ場という感じは薄くなってしまっている。そして、友情の要素も蘭と園子が犯人と戦う際に背中合わせで戦うシーンがあるものの、ほんのわずかであり、こちらも印象に残るほどのシーンではない。

しかも、クライマックスではいつもの通りコナンの活躍で洞窟から脱出する展開になってしまったことで、より2人のシーンがぼやけてしまったという印象だ。脱出のときでも蘭や園子に見せ場があれば、友情というテーマのインパクトもまた違ったかもしれない。

興行収入の面でも前年の「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌」と比較すると5億円下がってしまい、売り上げの面でも大成功とはいえないのが実情だろう。
それでも、クライマックスはコナン映画らしい脱出劇の盛り上がりや、蘭を助けに行くコナンの雄姿が見どころではある。

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