レオナルド・ディカプリオのブチギレ演技が堪能できる映画(1)残酷な結末…戦慄するほどのキレっぷり作品は?
アイドルとして人気を博した90年代とは打って変わり、カラダ全体で怒りをに表出する“ブチギレ俳優”へと華麗なる転身を果たした、レオナルド・ディカプリオ。今回はそんなレオ様のブチギレ演技が存分に堪能できる作品をセレクト。怖さを通りこして胸がスカッとする。そして迫力のあまり少し笑ってしまう。必見作が出そろった。
●精神異常を冷静に指摘され認めることができずにブチギレ
『シャッター・アイランド』(2010)
原題:Shutter Island
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:レータ・カログリディス
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングスレー、ミシェル・ウィリアムズ
【作品内容】
連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)とチャック(マーク・ラファロ)は、孤島・シャッターアイランドにある精神病院を訪れる。とある女性が「4の法則。67番目は誰?」という謎のメッセージを残して行方不明となり、島は騒然としていた。テディたちは、収容中の精神異常犯罪者たちの取り調べを進めていくうちに、その病院で行われていた恐ろしい計画の存在に気づきはじめる…。
マーティン・スコセッシ×レオナルド・ディカプリオの黄金コンビによる、4本目のコラボレーション。孤島に建てられた精神病院を舞台に、徐々に精神を崩壊させていく刑事を迫力たっぷりに演じている。
【“ブチギレ”ポイント】
ディカプリオが狂気に憑りつかれた男を演じ、アイドルからの脱却に完全な形で成功した記念碑的作品。
マーティン・スコセッシとは本作以前に、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2003)、『アビエイター』(2004)、『ディパーテッド』(2006)でもコンビを組んでおり、それぞれで激昂するシーンがあるにはある。
とはいえ、依然としてアイドルとしての面影が強く感じられた上記の3作に対し、『シャッターアイランド』で見せるパラノイアック(妄想症的)な芝居には、アイドルとしての愛くるしさはみじんもなく、ひたすら陰惨である。
嘘か本当かわからない世界をさまよった挙句、信じたくなかった現実を突きつけられるシーンでは、顔を真っ赤にして叫び、目の前の相手に体当たり。周囲の人間が極めて冷静である分、ディカプリオのブチギレっぷりが際立っているが、それは作品の残酷な結末にリンクしており、観る者を戦慄とさせるだろう。
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