酷すぎ…映画『東京リベンジャーズ』原作漫画から“改悪点”(3)。サブキャラも愛して! 原作愛の欠如が生んだ悲劇は?
和久井健の人気コミックを、北村匠海、吉沢亮ほか超豪華キャストによって実写化した『東京リベンジャーズ』。昨年公開されるや大ヒットを飛ばし、2023年には続編の公開も決定。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだが、原作ファンからすると「これはないでしょ!」言うしかない不満点も。今回はそんな残念な改変ポイントを深掘りしていく。(文:ZAKKY)
改悪点③:キヨマサがメビウスに加入している
まずは、先のページで触れた、『東京リベンジャーズ』の序盤を盛り上げる、超重要事件である『83抗争』の概要から説明しよう。ざっくり言うと「東京卍會」と「メビウス」の間で起こった抗争であり、原作では2巻9話目からスタートし、4巻30話で完結する。本来の未来では、この抗争によってドラケンは死亡するはずだったが、タイムリープしたタケミチの活躍によって、ドラケンは生き延びる。
本題に入ろう。『83抗争』の日、何事も起こらないと思っていたタケミチは、本作のヒロインであるヒナタと街の祭に来ていた。そんな中、東卍とメビウスのメンバー数人が、一緒にいるところを目撃する。
そこには、物語序盤で、ドラケンによって東卍から追放されたキヨマサの姿も。キヨマサはメビウスにそそのかされ、「ドラケンはオレが殺す」と、息まいている。
このシーンでは原作と映画版とでは著しく異なる点がある。映画版では、キヨマサが、メビウスの特攻服を着用しており、完全にメビウスに寝返っているということだ。わかりやすくて妥当な改変とも思えるのだが、やはり、これも「改悪」である。
原作では、あくまで『東卍』の旗を背負って、ドラケンに復讐しようとするのであり、そこにキヨマサの意地が感じられるのだ。ちなみに映画版では、主人公・タケミチがクライマックスに対峙する“ラスボス”は、他ならぬこのキヨマサである。
それを考えれば、なおさらキヨマサの寝返り描写は改悪だと思えてくる。『東卍』に属したままドラケンに怨みを持ったキヨマサと、『東卍』を愛するタケミチの対決を描いたほうが、よりドラマチックになったのではないかと思うのだ。ともあれ、原作のサブキャラクターに対する思い入れの欠如が明るみになった改悪ポイントだと言えるだろう。
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