ついに新設! アカデミー賞の新たな部門「スタントデザイン賞」は映画界の未来を変える一手となるか?
2028年のアカデミー賞に「スタントデザイン賞」の新設が予定されている。これは、長年スタントの価値を訴えてきた業界関係者にとって、ついに勝ち取った歴史的な一歩だと言えるだろう。それもそのはず、この賞の新設案が浮上したのは1990年代初頭だと言われている。(文・編集部)
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34年越しの念願がついに!
今回の新設に大きな貢献をしたスタントマンのジャック・ギルがこのアイデアを最初に聞いたのは1990年代初頭。『十二人の恐れる男』で知られる映画監督シドニー・ルメットからだった。
「スタントにもオスカーがあっていい」
その言葉に闘志を燃やし始めたギルだったが、当時のアカデミー幹部の考えは以下のようだったという。
「実現までには3〜5年はかかる。それでも頑張れるのか?」
ギルの答えはもちろんイエスだった。しかし、実際に実現するまでに34年もの歳月を要した。
そして近年、「スタントデザイン賞」の機運を一気に高めることになったのは映画『フォール・ガイ』だ。監督のデヴィッド・リーチ氏とスタントデザイナーのクリス・オハラ氏が旗振り役となり、特にリーチ監督が残した言葉に賛同する人が多く現れた。
「スタントはアクション映画だけのものじゃない。コメディでもドラマでも、物語を支える大切な要素だと知ってもらう必要がある」とリーチ氏は語る。
さらに、今回の新設に当たってギルは「『レイダース/失われたアーク』や『トゥルーライズ』…。もしその時にスタント賞があれば、間違いなく受賞していた作品は山ほどある」とその役割の重要性を示した。
(文・編集部)
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