映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』原作との違いを解説。タイトルに込められた意味とは? <あらすじ 考察 評価 レビュー>
text by 編集部
KIRSTY GRIFFIN/NETFLIX (c)2021 Cross City Films Limited/Courtesy of Netflix
パワー・オブ・ザ・ドッグ
3.5
- 原題:
- The Power of the Dog
- 製作年:
- 2021年(オーストラリア、アメリカ)
- 監督:
- ジェーン・カンピオン
- 脚本:
- ジェーン・カンピオン
- 撮影:
- アリ・ウェグナー
- 音楽:
- ジョニー・グリーンウッド
- 配給:
- NETFLIX
- 上映時間:
- 128分
●第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門
銀獅子賞(最優秀監督賞)受賞
●第94回アカデミー賞
監督賞 受賞
- 演出:
- 13点
- 脚本:
- 13点
- 配役:
- 15点
- 映像:
- 13点
- 音響:
- 13点
映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』を演出、脚本、キャスト、映像、音楽の項目で徹底解説。監督はジェーン・カンピオン。主役を演じるのはベネディクト・カンバーバッチ。ローラ役はキルスティン・ダンスト。『ピアノ・レッスン』の監督が描く官能的西部劇は難しい? つまらない…? その真の評価を多角的な視点から明らかにする。
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のあらすじ
時は1925年、舞台はアメリカ・モンタナ州。名門大学出身のフィル・バーバンク(ベネディクト・カンバーバッチ)は、弟のジョージ(ジェシー・プレモンス)と二人三脚で牧場経営を成功させ、名声を手にしていた。
バーバンク兄弟の性格は正反対である。フィルは頭が切れる一方、女性や異人種の人々に冷淡であり、差別主義者の顔を持っている。かたやジョージは誰に対しても優しく、実直な青年である。
ある日、2人は立ち寄った村の宿で、オーナーでありシングルマザーのローズ(キルスティン・ダンスト)と出会った。フィルはローズの息子・ピーター(コディ・スミット=マクフィー)の繊細な性格をあざ笑い、彼女を憤慨させる。ジョージはローズに兄の非礼を詫び、言葉を交わすうちに両者は惹かれ合っていく。