映画『それでもボクはやってない』バッドエンドに唖然…。モデルとなった実話と結末を考察<あらすじ 評価 解説 レビュー>
text by 編集部
映画『それでもボクはやってない』イラスト:naomi.k
それでもボクはやってない
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第31回日本アカデミー賞
(優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、優秀主演男優賞、最優秀助演女優賞(もたいまさこ)、優秀音楽賞(周防義和)、優秀撮影賞、優秀照明賞、最優秀美術賞(部谷京子)、優秀録音賞、最優秀編集賞(菊池純一)9
第50回ブルーリボン賞
(監督賞、主演男優賞)
- 演出:
- 15点
- 脚本:
- 15点
- 配役:
- 14点
- 映像:
- 8点
- 音響:
- 7点
映画『それでもボクはやってない』をあらすじ(ネタバレあり)演出、脚本、配役、映像、音楽の項目で徹底解説。監督は周防正行。主演は加瀬亮、弁護士役に役所広司、瀬戸朝香らが出演。実在の痴漢冤罪事件をモデルに司法制度の問題点に迫る本作は面白い? 観ていてむかつく? 衝撃の結末と真の評価を多角的な視点で明らかにする。
『それでもボクはやってない』 あらすじ
フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、就職活動中である。ある日、面接地に向かおうと電車に乗ったところ、女子中学生の古川俊子(柳生みう)に痴漢と間違えられ、警察署に連行されてしまう。取り調べ担当の刑事(大森南朋)は問答無用に徹平を責め立て、「認めてやれば出してやる」と告げる。困惑する徹平をよそに、出鱈目な内容が調書に書き込まれていく。かくして、徹平は手錠をかけられ、留置所に収監されてしまうのだった。
次の日、徹平は当番弁護士の浜田(田中哲司)に事実関係を洗いざらい話す。徹平は満員電車の中でドアに挟まれた上着の処理に必死であった。徹平が駅員室で詰問を受けていると、徹平の無実を証言する女性が現れる。彼女は「彼は上着の裾を引っ張っていただけ」と擁護してくれたが、駅員が追い払ってしまったのだという。一通り話を聞いた浜田は「本当にやっていなかったとしても、無実になる保証はない。それよりも示談をお勧めする」と告げ、徹平を愕然とさせる。