“ムズキュン”すぎて炎上!? 映画『おとななじみ』、HiHiJets 井上瑞稀の演技の凄さとは? 忖度なしガチレビュー
text by 柚月裕実
HiHi Jets(ジャニーズJr.)の井上瑞稀と、久間田琳加がW主演を務める映画『おとななじみ』が公開中だ。“おさななじみ”という関係のまま大人へと成長した2人の、もどかしい恋模様を描いた“ムズキュン”ラブコメディ。今回は本作のみどころと、映画初主演を務めた井上の魅力を徹底解説する。(文・柚月裕実)
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【著者プロフィール:柚月裕実】
エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。
“両片思い”な男女の恋愛模様
井上瑞稀が演じるのは恋愛に鈍感な“超残念男子”
原作は『Cocohana』(集英社)で連載された中原アヤによる同名コミック作品。井上が演じる青山春と、隣の家に住む加賀屋楓(久間田琳加)の2人は“おさななじみ”であり、24歳になったいまでも家族のように仲が良いのだが……。
実はお互いに片思い中という“両片思いな”2人。なかなかスムーズにはいかない恋愛模様を描いている。
2人の出会いは4歳の時。隣の家に住んでいるという漫画原作らしい夢のようなシチュエーションは、定番のようでいてどこか新鮮だ。楓が明るい性格の春に心を奪われて20年。思春期を経て、成人後も共に過ごす2人の関係性も観る者の心をくすぐる。
井上が演じる春は、優しくまっすぐな性格ではあるものの、恋愛には鈍感な“超残念男子”。一方の楓は、しっかり者でまるでお母さんのように春の世話を焼く“オカン系女子”。
“おさななじみ”とはいえ、恋愛となると奥手で不器用。距離は近いはずなのに一筋縄ではいかない、まさに“ムズキュン”な恋愛がコミカルに描かれている。
萩原利久が演じる冷静沈着タイプの同級生・蓮見伊織によって春の無邪気さが際立つが、時には成長ぶりも覗かせる。時折見せる表情やしぐさ、包容力を感じる言葉には胸キュン必至。
楓とは“両片思い”でありながら、あと一歩が踏み出せない、その理由にもまた胸を揺さぶられる。