夏の終わりを描いた最高の映画は? 儚く切ない名作映画(5)青春映画の金字塔! 超絶名作の礎となった出世作
大きく開いた窓から入る暖かい風にのって、子供の笑い声が聞こえる。授業終わりの放課後の苦い思い出。“夏”が終わりに近づくと、何故か少し切ない気持ちが残る。そんなどこかで誰もが感じた、夏の終わり。今回は、米Movie Webを参考に、人間関係が変化し、気持ちが変化する、儚くも切ない夏の終わりを捉えた映画を、5本紹介する。
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60年代の美しいアメリカが舞台
変わっていくことの切なさを描く
『アメリカン・グラフィティ』(1973)
製作国:アメリカ
監督:ジョージ・ルーカス
脚本:ジョージ・ルーカス、グロリア・カッツ、ウィラード・ハイク
キャスト:リチャード・ドレイファス、ロニー・ハワード、ポール・ル・マット、チャールズ・マーティン・スミス、ハリソン・フォード
【作品内容】
1962年、アメリカ・カリフォルニア北部の小さな田舎町を舞台に、高校を卒業したばかりのカートとスティーブ、1学年下のテリーと年上のビッグ・ジョンの4人は、それぞれの愛車に乗り、いつもの溜まり場に集まっていた。
カートとスティーブは、大学進学のため、翌朝に故郷を出る予定となっている。
いつもの4人は、今という時がもう戻らないであろうとなんとなく感じつつも、故郷での最後の一夜を楽しむべく、街へと繰り出していく…。
【注目ポイント】
本作は、後に『スター・ウォーズ』シリーズや、『インディ・ジョーンズ』シリーズを生み出すジョージ・ルーカス監督の出世作となった長編第2作目。
また、映画『ゴッドファーザー』シリーズのフランシス・フォード=コッポラも本作でプロデューサーを務め、登場キャストには、リチャード・ドレイファスに、ハリソン・フォード、ロン・ハワードなど、当時無名ではあったが、今では名の知れる豪華な顔ぶれが勢揃いしている。
また、ジョージ・ルーカス監督は、本作の舞台と同じカリフォルニア州モデストに生まれ、高校時代はカーレースに熱中しており、彼の自伝的作品としても知られている。
田舎町の高校を卒業した仲間達が、彼らに訪れるであろう新しい未来をなんとなく受け入れることができないまま、それぞれの夏休み最後の日を有意義に過ごそうとする。
若かりし頃の一晩の間に起こる、個性的な登場人物それぞれの葛藤、衝動、歓喜の物語の断片を、ギュッと詰め込んだ青春映画だ。
青春映画の金字塔と評される本作は、ストーリー内容はもちろんのこと、作中に映る60年代のアメリカを舞台にした映像は、心に残る美しさを持つ。
成長に伴い、変わっていかなければならないことの儚さや、大切さを感じさせてくれる。本作は、一度は訪れた10代のあの時間、そして今を生きる喜びを回想させてくれる。
夏の終わりにピッタリの映画作品である。
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