「こんな山田涼介が観たかった…」監督が絶賛したものとは? 映画『BAD LANDS バッド・ランズ』徹底考察&評価
text by 柚月裕実
公開中の映画『BAD LANDS バッド・ランズ』。安藤サクラと山田涼介が、特殊詐欺をはたらく姉弟役として出演。直木賞作家・黒川博行の小説『勁草』を名匠・原田眞人監督が実写化したクライムサスペンスだ。今回は、山田涼介の演技着目したレビューをお届けする。(文・柚月裕実)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール】
エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。
「全てに抗い、全てを掠め取れ。」
猛スピードで展開されるセリフに注目
特殊詐欺に手を染める血のつながりがない姉弟、ネリ(安藤サクラ)とジョー(山田涼介)。ある晩、おもいがけないタイミングで3億円もの大金を手にしてしまう。これまである人物をハブにしてつながっていた犯罪組織や、大阪府警も動き始め、2人は追われることに。
共演は、生瀬勝久、吉原光夫、大場泰正、淵上泰史、縄田カノン、前田航基、天童よしみ、江口のりこ、宇崎竜童ら個性派俳優が名を連ねるほか、映画作品初出演のサリngROCKと注目の俳優も。
冒頭、スピーディーに飛び交う関西弁を受けて、正確にセリフを聞き取ることができなかった。あまりの速さと慣れない関西弁に追い付けなかったのが正直なところ。
ただ、そうした演出からは、作り手の狙いが感じられる。
聞き取れそうで聞き取れない絶妙な言葉は、大阪のどこかに未知の世界が存在することを観る者に感じさせ、場の雰囲気をダイレクトに伝える。そうした演出も相まって一気にストーリーに引き込まれた。