世界の映画祭で高評価! 映画監督・宇賀那健一インタビュー(前編)。12月3日公開の短編集『未知との交流』の製作秘話を明かす
2016年より毎年約1本はリリースという、驚異的なスピードで作品を創り上げている映画監督・脚本家の宇賀那健一。監督作は海外の映画祭で好評を博し、2022年10月に開催されたモントリオール・ヌーヴォー・シネマ映画祭では、宇賀那健一短編特集が開催。現地で舞台挨拶を実施するなど、大きな話題をよんだ。12月からは、2本の新作映画が公開される。まずは、12月3日公開の3編から成る短編集『未知との交流』についてお話を伺った。
(聞き手/文・ZAKKY)
【宇賀那健一 プロフィール】
1984年生まれ。神奈川県出身。1984年4月20日、東京都出身。青山学院経営学部経営学科卒業。高校から俳優活動をスタートさせ、監督業に進出。モントリオール・ヌーヴォー・シネマ映画祭、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、ポルト国際映画祭、リーズ国際映画祭、トリノ映画祭、スラムダンス映画祭、プチョン国際ファンタスティック映画祭など世界中の映画祭で作品が上映されている。
代表作:
『黒い暴動❤』(2016年)出演:馬場ふみか、間宮祥太朗
『サラバ静寂』(2018年)出演:吉村界人、SUMIRE、若葉竜也
『魔法少年☆ワイルドバージン』(2019年)出演:前野朋哉、佐野ひなこ、斎藤工
『転がるビー玉』(2020年)出演:吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯
『異物 -完全版-』(2022年)出演:小出薫、田中俊介、田辺桃子
まずは12月3日(土)公開の新作情報をチェック!
「宇賀那健一監督短編集:未知との交流」
アナログの良さを残したファンタジー作品を現代にアップデートした、オリジナルの作風で知られる宇賀那健一監督による3つのタイトルからなる短編集。『往訪(おうほう)』、『モジャ』、『適応』の3作品がラインナップ。第51回モントリオール・ヌーヴォー・シネマ映画祭のTEMPS0部門において組まれた特集上映「MADE IN UGANA: THE VERY SPECIAL SÉANCE」を日本用に組みなおした特別な上映となる。2022年12月3日(土)より池袋シネマ・ロサほか順次全国劇場公開
【予告編】
“不条理”が日常に溶け込む新感覚ホラー『適応』
―2022年に発表された4つの短編作品からなるオムニバス映画『異物 -完全版-』にも、『適応』は収録されていましたね。
「自分の中での最近のテーマである“不条理”と“アナログ”という要素を、今回の他の2作とつなぐには、適していると思ったので、この短編集にも入れてみました」
―まさに、適応していると。
「ああ、そうかもしれません(笑)。クリーチャー(想像上の生き物)が、社会に適応していく話です。海外でこの作品だけ上映したこともあったのですが、すごく好評でした。そこから、『異物 -完全版-』を観る人も多かったみたいで。現地では『同じ映画でも、単体で観るのと、連続したストーリーの中で観るのとでは趣が違う』という貴重な意見を聞くことができました。そうしたこともあり、今回新たな組み合わせでお届けしたいと思った次第です。すでに一度ご覧になった方が観ても、音楽で例えると『オリジナル盤もいいけど、ベスト盤で聞くと、また違って聴こえる』といった感覚で楽しんでもらえたら嬉しいです(笑)」
【映画『適応』作品情報】
■STORY
トモミはいつもと変わらない下らない日常にイライラしながらバーでのバイトをしていた。そんな中、コウダイは急いでバーへ向かっていた。昔の彼女であるミナに、家に帰ったらいたあるものを見せるためである…。
■STAFF
監督・脚本:宇賀那健一
撮影・編集:小美野昌史
■CAST
石田桃香、吉村界人、田中真琴、樹智子、オクヤマ・ウイ、ムラタ・ヒナギク、フカミ・アスミ
2020年/10分/4:3/5.1サラウンド/DCP/モノクロ