映画『AKIRA』の凄いポイント③
漫画連載を休止してまで映画化に踏み切った
当時の、いや、今の漫画界でも異例のことであるが、作者の大友克洋は、漫画連載を休止してまで、映画化に踏み切った。もちろん、続編があることが前提で漫画連載中でも映画化が成されるパターンはあるが、『AKIRA』は、「映画は映画で別モノ」という1本の作品として作り上げた、先駆け的な作品とも言える。
原作では生存している超能力者・AKIRAが、映画版ではすでに死んでいるという設定になっている。また、原作では重要な役回りである超能力者・19号であるミヤコという老婆は、映画版では、ただの街の占い師になっている。この改変に、映画版で『AKIRA』を知り、後追いで原作を読んだ筆者はとても驚いた。
なんと言っても映画版『AKIRA』は、原作を知らなくても、1本のエンターテインメント作品として楽しめるという点が、最高の強味ではないだろうか。
「鉄雄ーーー!!」
「うるさーい! 俺に命令するなーーー!!」
間違いなく、観終わった後に主要キャラクターのセリフを言わずにはいられないだろう。公開から35年経った現在でも、いや、現在だからこそ、心に刺さる作品であり、未見の方には、ぜひ、鑑賞していただきたい。
(文・ZAKKY)
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