読者を恐怖に陥れた上級戦士

ナッパ(次点)

DRAGON BALL
ニューヨークで行われたドラゴンボールのイベント【Getty Images】

 最後にかつてはベジータの相棒であり手下であった、サイヤ人・ナッパを次点として挙げよう。彼は、地球に降り立つや否や、現代で言うバン仲村の「あんたでもいいよ」的なポーズで人差し指と中指を「クンッ」と上に動かすだけで、周囲数㎞の市街地を破壊するという離れ業を成し遂げている。「後の闘いでも、それやりゃ、ええやん!」と誰しもが思いながらも、この技が再現されることはなかった。

 が、その後、ピッコロを含む地球チーム数人を相手に対しての無双ぶりは、本当に凄まじかった。ピッコロさん、弟子の悟飯をかばい、死んでしまうし。この時点で、読者に作中最大級の恐怖を味わせた功績は賛辞に値するポイントである。

 しかし、クリリンの気円斬をナメてかかり、「ナッパよけろーーー!」とベジータに注意されたり、「あのバカ…どんな技か見切れんのか」と、ベジータに呆れられる始末。

 そして、駆けつけた悟空に半殺しにされた後には、ベジータに「動かないサイヤ人など必要ない」と瞬殺されるなど、はっきり言って強いが、頭の弱さ(バカさ)が露呈した末路を送り、慕っていたベジータにまったく愛されていない人生の終止符を打った。(それ以前のベジータとの会話でも、いちいちベジータに実はツッコまれており、「すまねえ、ベジータ」と、うろたえているナッパのバカさ加減にも注目していただきたい(笑))

 サイヤ人の上級戦士であったナッパ。イジワルなベジータに抹殺されておらず、鍛錬を重ねていれば、その後も最強クラスの存在になっていたかもしれないと考えると、惜しい人を亡くしたものである。(誰もドラゴンボールで生き返らせようとしていないのも、切ない限りだ)

(文・ZAKKY)

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【了】

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