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ブラック・ウィドウ・米倉涼子

米倉涼子とスカーレットヨハンソンGetty Images

吹き替えを担当した作品:

『アベンジャーズ』(2012)
『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』(2014)
『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)
『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』(2016)
『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018)
『キャプテン・マーベル』(2019)
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)
『ブラック・ウィドウ』(2021)

オリジナルキャスト:スカーレット・ヨハンソン

【注目ポイント】

ブラック・ウィドウはアベンジャーズの初期メンバー。特殊能力は持ち合わせていないが、幼い頃からスパイとして育てられ、格闘技・狙撃を得意とする。演じるのはハリウッド屈指の人気女優、スカーレット・ヨハンソンだ。

ブラック・ウィドウが最初に登場した作品は2008年公開の『アイアンマン2』である。その時の吹き替えは、声優の佐古真弓が担当。マーベルファンの間では、ブラック・ウィドウ=佐古真弓の声というイメージが定着していたが、2012年公開の『アベンジャーズ』から突然、米倉涼子に変更。一度定着したイメージを覆すのはどんな名優であっても至難の業。案の定、違和感を訴えるファンが続出した。

気の強い性格のブラック・ウィドウは、米倉涼子のパブリックイメージと親和性が高い。しかし、米倉涼子の断言口調は、彼女の代表作である某人気医療ドラマをどうしても想起させ、ストーリーに集中できないという弊害を生んでいる。

ブラック・ウィドウの見せ場といえば、『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』で描かれた、変身すると誰も手も付けられない程凶暴になるハルクを元の姿に戻すシーンが真っ先に思い浮かぶ。

この場面における「大物さん、もう日が暮れるわよ」というセリフは、ファンの間でも人気が高い。緊張感が漂うシーンだが、吹き替え版で観ると、皮肉なことに、キャラクターではなく完全に米倉涼子の表現となっており、思わずクスリとしてしまう。役のイメージと俳優のイメージが合っていれば万事OK、というわけにはいかないことを示す恰好の例だと言えるだろう。

ちなみにこのセリフは、スカーレット・ヨハンソンの元夫であるライアン・レイノルズが主演を務めるマーベル映画『デッドプール』でネタにされている。

『アベンジャーズ エンドゲーム』で、残念ながら名誉の死を遂げたブラック・ウィドウ。その後、生前の彼女の活躍を描く映画『ブラック・ウィドウ』(2021)が公開されたが、コロナ禍ということもあって興行的には伸び悩んだ。

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