ホーム » 投稿 » コラム » 失明した娼婦の結末は…? ジャッロ映画『ダークグラス』の評価は? “本のプロ”が魅力を徹底解説【映画と本のモンタージュ】 » Page 4

映画『ダークグラス』とあわせて読みたい2冊

『ジャッロ映画の世界』


出典:Amazon
安井泰平著
彩流社

本稿の良き参考書となったのがこちらの一冊である。今読まずにいつ読むのか?というほどのジャッロ映画の情報量が豊富なのだが、残念ながら現在は品切れである。とはいえ、本書はジャッロの誕生から、イタリア本国での定義論争、ジャッロ映画がもつ本質などジャンル映画とひと言で片づけてしまうのは惜しいほど資料性が高い一冊。もし機会があれば読んで欲しい。

『世界の中心で愛を叫んだけもの』


出典:Amazon
ハーラン・エリスン/浅倉久志+伊藤典夫訳
ハヤカワ文庫

もう一冊はハーラン・エリスンによる短編集に収められている、「少年と犬」という小説だ。核戦争後の荒廃した未来を舞台に、言葉を話せる犬のブラッドと少年アルバートの犬と人間のコンビによる物語だが、性愛性と攻撃性が支配した本作はジャッロ的で『ダークグラス』との共通点も見て取れる。また、犬が重要なキャラクターとして登場するという点でも共通点が見出せる。

【関連記事】
なぜアカデミー賞を制覇? 映画『エブエブ』のすごさを解説。まさかの涙…“本のプロ”の視点で考察【映画と本のモンタージュ】
映画『ミッドサマー』不愉快なのに引き込まれる…。前代未聞の“明るいホラー”の魅力を徹底分析<あらすじ 解説 考察 評価>
映画『ファニーゲーム』映画史上もっとも不快…? “胸糞映画”の金字塔を徹底解説<あらすじ 考察 評価 レビュー>

1 2 3 4