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特殊メイクで初代FBI長官に変身
部下と取っ組み合いの喧嘩でブチギレからのキス…。

『J・エドガー』(2011)

原題:J. Edgar
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ダスティン・ランス・ブラック
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー

【作品内容】

FBIを犯罪捜査機関として強大な組織に育て上げた男、エドガー・フーヴァーの生涯を描いた異色の伝記映画。共産主義者や労働運動家の過激派によるテロが横行する1910年代後半のアメリカ。24歳のフーヴァーは大きい事件を次々と解決に導き、組織の中で力をつけていく。1932年に起きたリンドバーグ愛児誘拐事件をきっかけに、フーバーはFBIの権限を大幅に強化させる法律を議会に認めさせ、FBIは政治家さえも恐れるような力を持ちはじめる…。

レオナルドディカプリオ左とクリントイーストウッドGetty Images

巨匠・クリント・イーストウッドとディカプリオが初めてタッグを組んだ作品。主役のフーバーがFBIという組織を大きくしていく過程に加え、母親との愛憎に満ちた交流や、男性部下との恋愛模様も入念に描かれている。

【“ブチギレ”ポイント】

犯罪抑止のためなら、平気で嘘をつき、人を貶め、違法すれすれの行為に手を染める主人公のエドガー・フーヴァーは、至るところに犯罪の匂いを嗅ぎ当てる性格の持ち主。したがって、ディカプリオは多くのシーンで眉間に皺をよせ、鋭い視線を周囲に走らせている。

注目のブチギレポイントは、側近のトルソン(アーミー・ハマー)との激しい喧嘩シーンにある。トルソンから臆病な内面を指摘されたフーヴァーの怒りは一挙にフルMAX。一度は鉄拳を浴びせることに成功したものの、体格で劣るため、マウントをとられて一方的に殴られる展開に。

しかし、馬乗りになったトルソンは急に殴るのを止め、いきなりキス。戸惑いながら彼を受け入れるディカプリオの表情の変化と、ブチギレシーンから切ないラブシーンに移行する瞬間には、映画ならではのマジックが息づいている。

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