史上最高のトム・クルーズ映画は? 至高のおすすめ主演作5選。生けるレジェンド俳優の魅力がたっぷり詰まった作品をセレクト
新作『ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』も大ヒット、60歳を超えてなおアクション映画の最前線に立ち続けるトム・クルーズ。キャリア40年を超え主演作だけでも40本近くに上る、まさにリビングレジェンド。今回は映画のデキではなく、トム・クルーズが輝いている作品のベスト5を独断でチョイスしてみた。(文・高梨猛)
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まさか、あのトムが日本の“ラノベ”を!?
軟弱な男が死を繰り返して最強の男へと変貌
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)
上映時間:113分
原題:Edge of Tomorrow
製作国:アメリカ
監督:ダグ・リーマン
原作:桜坂洋
脚本:ダンテ・W・ハーパー、ジョビー・ハロルド、クリストファー・マッカリー、ティム・クリング、ジェズ・バターワース
キャスト:トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン、ブレンダン・グリーソン
【作品内容】
桜坂洋によるライトノベルが、ハリウッド大作として奇跡の実写映画化。
近未来の地球。エイリアンからの侵略に対抗する統合防衛軍の広報として働くウィリアム・ケイジ(トム・クルーズ)は、最前線に送り込まれてしまい、激しい戦いに巻き込まれて戦死する。しかし、目が覚めると出撃の前日に戻っていた。何度死んでも出撃前日に戻ってしまう「タイムループ」に巻き込まれたと悟ったケイジは、戦闘スキルをレベルアップさせながら、戦場の英雄と讃えられるリタ・ブラウスキ(エミリー・ブラント)と接触を試みる。
【注目ポイント】
2013年に公開された『オブリビオン』の次に出演した作品で、またSFもの。内容はこの頃になぜか量産されたタイムループ系の作品で、しかも原作は日本のラノベと、疑問符のつくような企画だったが、完成した作品を観てみるとバランスの取れた快作に仕上がっている。
トム・クルーズが従来から持っている「胡散臭い笑顔」「体を張った超絶アクション」に加え、近年になって推している「頼れるリーダー」という3要素が見事に生かされた構成になっている。
冒頭、レベル1のトムは、ヘラヘラ笑顔と戸惑い顔と悲壮感たっぷりのリアクションという得意の顔芸を披露。そしてタイムループを繰り返すことで地道に成長、最終的には仲間をリードする頼れる男に昇格。さすがラノベ原作、中2男子のハートをがっちり掴む構成で、トム・クルーズに惚れ直す面白さだ。
中2男子的には、目に焼き付いて離れないエミリー・ブラントの腕立て姿や、クライマックスの特攻大作戦も印象深い。ただ、原作のタイトルを邦題に採用したので仕方がないが、ここは原題の『EDGE of TOMORRW』のほうが個人的には良かったのではと思う。