実話に基づいたクライム・アクション
トムの繊細な演技が光る
『バリー・シール/アメリカをはめた男』(2017)
上映時間:115分
原題:American Made
製作国:アメリカ
監督:ダグ・リーマン
脚本:ゲイリー・スピネッリ
キャスト:トム・クルーズ、ドーナル・グリーソン、サラ・ライト、E・ロジャー・ミッチェル、ジェシー・プレモンス、アレハンドロ・エッダ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ジェイマ・メイズ
【作品内容】
パイロットとしてCIAの仕事を請負いながら、麻薬の運び屋もやっていたバリー・シールという実在の人物をモデルした犯罪ドラマ。
1970年代後半、航空会社のパイロットとして働いていたバリー・シール(トム・クルーズ)は、CIAからの極秘の偵察任務を引き受ける。その仕事を続けていくうちに南米の独裁者やマフィアとの繋がりを持ったバリーは、CIAの目を盗み、コカインを密輸する危険な仕事に手を染める。
【注目ポイント】
何度も言うが、トム・クルーズの魅力は、白い歯がきらめく爽やかな笑顔だ。誰もが魅了されるカッコよさだが、どこか胡散臭くもある。そんな印象をトム自身も理解しているようで、詐欺師や、笑顔の裏に誰にもいえない秘密を抱えた男などをたびたび演じている。
その路線の真骨頂が、この『バリー・シール』だろう。いつもヘラヘラしていて、だけど大胆で、周囲に流されながらヤバい仕事に手を染め、一歩間違えたら死にそうなシチュエーションでも笑顔で切り抜けていく。
本作をよくみると、そんな笑顔も場面によって少しずつ違っており、トムの繊細な演技力を堪能できる。ダグ・リーマン監督のBサイドといえるオフビートな実録モノにも見事に対応した俳優トム・クルーズの佇まいがたまらない。