サンジを救うために自身の犠牲は厭わない
ゼフ
演じるなら、この人!
〜松平健〜
海上レストラン「バラティエ」のオーナー兼料理長。元はクック海賊団の船長として「赫足のゼフ」という異名を持つほどの実力者。サンジに料理と足技を叩き込んだ師匠である。
手は料理をするためにあるというプライドを持ち、戦闘でも一切手を使わないにも関わらず、「偉大なる航路(通称・グランドライン)」を1年間航海し無傷で帰還したとして名が知れている。
サンジが足技しか使用しないのは、料理人としてのプライドをゼフから受け継いだからだと言える。他のバラティエの船員や料理人たちは手に刀を持って戦うため、ゼフの教えを深部に至るまでしっかり継承しているのは、サンジだけであると言っていいだろう。
また、サンジはレディーファースト精神も師匠である彼から受け継いでいる。サンジは幼少期にゼフから「男は女を蹴っちゃならねぇ! そんな事ァ 恐竜の時代から決まってんだ」とお灸をすえられたことがある。この回想シーンはNetflix版のドラマでは描かれなかったため、是非日本版では再現してほしいところだ。
片足が義足であるゼフだが、幼少期のサンジと無人島に85日間漂流した際に、その場にあった食料を全てサンジにあげ、自分は財宝しか入っていない袋を食料と偽った。そして自分の足を切断し、それを食糧にして生き延びたという想像するだけでも壮絶な回想シーンがある。
サンジを生かすためにとった行動だが、自分も絶対に生きてやるぞという強い意志も見え、命が危険に晒されているにも関わらず料理人としての誇りを貫きとおした、まさに漢の中の漢である。
ゼフが作中に登場するのは数巻だが、そのほとんどが名シーンばかり。そんな劇中屈指の名シーン製造機を任せられるのは「暴れん坊将軍」こと松平健の他にいないだろう。
1978年にドラマ『暴れん坊将軍』の上様こと徳川吉宗に抜擢され、松平は2004年にリリースした「マツケンサンバⅡ」ではNHK紅白歌合戦に初出場するなど、世間を席巻。若い世代にも広く知られている大御所俳優の一人だ。
その長い俳優人生で培った、役への探究心や解釈の深さは尋常ではない。長い海賊人生をとおして、世界の残酷な面も沢山見てきたに違いないゼフの言葉には、他のキャラクターにはない重みがある。レジェンド俳優松平であれば、ゼフの重厚感のある言葉もしっかり自分のものにしてくれそうだ。
料理人の誇りを忘れないゼフと、役者人生を全うする松平。この贅沢すぎる配役が実現すれば、日本人キャストによる実写版「ワンピース」は成功間違いなしだろう。