映画『テッド』以前にも存在していた下品なテディベアのキャラクター
コメディアンであるウィル・フェレルと映画監督アダム・マッケイにより設立されたコメディ・サイト兼制作会社「Funny Or Die(ファニー・オア・ダイ)」は、YouTubeとデジタル・コンテンツ分野のプラットフォームであった。
映画『40歳の童貞男』(2005)の監督ジャド・アパトーや、初代『スパイダーマン』シリーズで主人公の親友であるハリー・オズボーン役を演じた俳優のジェームズ・フランコや、2009年からの『ハングオーバー!』シリーズで、新郎ダグの義理の弟でトラブル・メーカーのアラン役を演じた俳優のザック・ガリフィアナキスなど、非常に著名な貢献者の支援により、「Funny Or Die(ファニー・オア・ダイ)」はケーブルテレビやネットワークコメディの激しい競争に対抗し、短編の番組を上映することが可能となった。
映画『テッド』が公開される3年前の2009年。この「Funny Or Die(ファニー・オア・ダイ)」に新たなキャラクターが登場する。
それは『Charlie the Abusive Teddy Bear(虐待テディベアのチャーリー)』と題された無名のビデオシリーズに登場する、”チャーリー”というテディベアだ。この”チャーリー”は、テッドとの類似点が非常に多い。
どちらも無邪気なぬいぐるみのテディベアが、酒を飲んで、喫煙をし、汚い言葉を放つのだ。
通常、映画『テッド』のような衝撃性と経済的成功を収めた映画作品の続編を製作されることは、ハリウッドの自然な流れと言えるだろう。
『テッド』の監督マクファーレンも、ジョンを演じる俳優ウォールバーグも、映画『テッド』の成功によって、それぞれのスターダムの頂点に立ったことは間違いない。
その勢いは2015年の映画『テッド2』にも引き継がれ、マクファーレンとウォールバーグは、テッドとジョンという “一生の雷兄弟 “として再びその役を担った。
ジョンの恋人ローリー役を演じたミラ・クニスは、続編には復帰せず、『テッド2』のヒロインは映画『TIME/タイム』(2011)の女優アマンダ・セイフライドに与えられた。
そうして製作が開始され、全てが右肩上がりに見えた『テッド2』だったが、その全工程を終える前に、上記で説明した『Charlie the Abusive Teddy Bear(虐待テディベアのチャーリー)』の”チャーリー”の存在により、訴訟という衝撃的な事態に直面する。