伝説は”クロサワ”の影響からはじまった
『スターウォーズ』元ネタ→黒澤明『隠し砦の三悪人』(1958)
監督:黒澤明
脚本:菊島隆三、小国英雄、橋本忍、黒澤明
出演:三船敏郎、千秋実、藤原釜足、上原美佐、藤田進
【作品内容】
戦国時代。秋月家は隣国の山名家と戦い、敗れた。秋月家の侍大将・真壁六郎太は、世継ぎの姫と残党と共に隠し砦にこもる。しかし彼らが生き残って同盟国に脱出するには、敵国を通るしか道はない。
六郎太は砦に隠されている大金を利用し、強欲な百姓2人を仲間に加えて、危険な道をくぐり抜けていく。
【注目ポイント】
第3回は、日本映画界が誇る永遠の巨匠、黒澤明だ。
『七人の侍』(1954)をはじめ、黒澤の作品は世界中の映画監督にインスピレーションを与えてきた。なかでも特筆すべきは、戦国時代を描いた『隠し砦の三悪人』だろう。
敗戦の将が、数名の生き残りと世継ぎの姫と隠し砦に閉じこもる。彼らは、敵から姫君と隠し置いた黄金を守るため、敵陣を突破していく…。この物語は、そのままジョージ・ルーカスの世界的傑作『スターウォーズ』の骨格をなしている。
また、『隠し砦の三悪人』には、狂言回しとして、手柄を立てようとする農民、太平と又七(千秋実・藤原釜足)が登場する。彼らは、そのまま人間とコミュニケーションをとるドロイドであるC3POとR2D2のモデルになっている。
なお、ジョージ・ルーカスは、後年、スピルバーグとともに黒澤作品のアメリカでの配給にも尽力している。