敵にも味方にも執念深い…ネチネチした柱
伊黒小芭内(いぐろおばない)
演じるなら、この人!
~綾野剛~
初登場は「柱合会議」。首に「鏑丸(かぶらまる)」という白蛇を這わせており、炭治郎や「水柱」である冨岡義勇が使用する「水の呼吸」から独自に派生させた「蛇の呼吸」を使う「蛇柱」。
「鬼は絶対に信用しない、問答無用で滅殺すべし」と、主人であるお館様である産屋敷耀哉も信用しないほど猜疑心の強いキャラクターだ。
「柱」や鬼殺隊のトップである「お館さま」に感情を露わにして禰豆子を助けようとした炭治郎の体を拘束し、呼吸を封じるなどの行動もあり、初見で苦手と感じた人も多いのではないだろうか。
ネチネチとした嫌味や、炭治郎に対するひどい言動が目立つが、ポジティブにとらえると、上司に無礼を働いた部下への注意を怠らない、規範意識が強い真面目キャラクターであるとも言える。
一方で、甘露寺にだけは心を開いており、彼女のチャームポイントであるニーハイソックスをプレゼントしたり、手紙のやりとりをするなど、愛らしい一面も。炭治郎が甘露寺と親しげに話していると「馴れ馴れしく甘露寺と喋るな」と牽制するなど、甘露寺へのぞっこんぶりから垣間見える可愛らしい姿に胸を射抜かれた女性ファンも少なくないだろう。
伊黒の「日輪刀」は波打つことが特徴の、ムチのようにうねる刀を使用しており、腕力では炭治郎よりも弱いが、非常に正確な太刀筋や斬撃の軌道の計算などに長けている。知性に優れているため、戦闘シーンでは指揮官としての能力も発揮する。
そんな伊黒役を任せられる俳優は、日本広しと言えども綾野剛しかいないだろう。
綾野は色素が薄く、鋭い三白眼が特徴。ミステリアスで独特な雰囲気のある俳優だ。口元を隠しオッドアイ(左右で瞳の色が異なる目のこと)の伊黒の風貌と問題なくマッチするだろう。
さらに、容姿もさることながら当代屈指の「カメレオン俳優」であり、演技力も折り紙つき。まさかTBSドラマ『コウノドリ』シリーズ(2015〜2017)の温厚で優しい産婦人科医と、Netflix『幽遊白書』でラスボス・戸愚呂弟を演じた俳優が同一人物だなんて…一体誰が信じられるだろうか?
伊黒は目つきが鋭く、無口で周りを威圧するような怖いキャラだが、前述したように甘露寺に対しては心を許すなど二面性が魅力だ。異なるキャラクターの演じ分けを得意とする綾野に打ってつけの配役ではないだろうか。
些細な懸念としては、スーパーストレートヘアの伊黒に対し、パーマの印象が強い綾野。ヘアスタイルがハマるかどうかが試金石となりそうだが、たとえ似合っていなかったとしても、寛大な心で見守りたい。