鬼太郎がセクハラ!?
色ボケ攻撃で人間を翻弄するきわどい妖怪
「妖怪いやみ」(第3期)
演出:石田昌久
脚本:星川博之
作画監督:松本朋之
『ゲゲゲの鬼太郎』第3期に登場する鬼太郎は、歴代の鬼太郎の中でもとりわけ「正義のヒーロー」として描かれていることで知られるが、そんな鬼太郎のセクハラが描かれているのがこの『妖怪いやみ』の回だ。
山奥のとある家で、2人組の登山客が、女装をした老人が寝ているのを発見する。この老人こそ通称「エロモドキ」こと妖怪いやみだった。100年の眠りから覚めたいやみは、早速街に繰り出し、楽しみを吸い取る術を使って人々を無気力にしてしまう。早速退治にやってきた鬼太郎だったが、今度はいやみが口から吐く色気にあてられ、ねずみ男ともども友人のユメコにキスを迫る。
そんないやみの弱点は、ずばり「キャンタマ」だ。川でイロ気を洗い流し、復活した鬼太郎が再びいやみの家へ向かい、いやみに対峙すると、いやみはいよいよ恐ろしい正体を現す。子泣き爺たちと攻撃を繰り出す鬼太郎たちだが、会心の一撃がなかなか与えられない。そんな折、目玉おやじが「いやみの弱点はキャンタマじゃ!」と叫び、鬼太郎はいやみの股間に痛恨の一撃を加える。
なお、本作の原作は週刊少年サンデーに連載された「いやみ」だが、実は漫画サンデーの読み切り「セクハラ妖怪いやみ」にも登場している。ただこの物語、全編が下ネタに溢れた『ゲゲゲの鬼太郎』史上最大の問題作で、ここにあらすじを書くことすらはばかれる代物だ(恐ろしいのは、この物語が版鬼太郎の最終回になる可能性があったことだ)。気になる方は、ご自身でチェックしてもらいたい。
ちなみにいやみは、第6期「いやみの色ボケ大作戦」にも登場。本エピソードでは、鬼太郎によるセクハラ描写はなくなり、代わりに猫娘と鬼太郎の友人である犬山まなとのキスシーンという百合展開が加筆されている。なお、この回は、色ボケから復活しない鬼太郎の代わりに猫娘がいやみを倒すという展開で、猫娘の鬼太郎への恋心が描かれた傑作回に仕上がっている。こちらも併せてご覧いただきたい。