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これぞ究極のヤンキー漫画の実写化

『激情版 エリートヤンキー三郎』(2009)

竹内力
竹内力Getty Images

監督:山口雄大
原作:阿部秀司
脚本:木田紀生
出演:石黒英雄、板倉俊之、山本ひかる、橋本じゅん、小沢仁志、小沢和義、池田鉄洋、なだぎ武、竹内力、仲間由紀恵

【作品内容】

極悪ヤンキーである兄2人を持つ内気な青年・三郎。しかし、彼は幼き日に兄たちから痛めつけられた際、覚醒し、とてつもないパワーで兄たちを半ゴロシにした。そんな、スーパーサイヤ人のような素質を持った、正にエリートヤンキー。普段は温和な三郎がヤンキーの巣窟・徳丸学園高校に入学してきてからの、ドタバタコメディーである。

【注目ポイント】

ドラマ版からの派生して映画化した人気作品。監督は『地獄甲子園』(2003)など、ギャグ漫画実写化において辣腕を振るう、山口雄大。

極悪系映画や、かつてのVシネマの出演で名高い、小沢仁志、その弟の小沢和義が三郎の兄(共に10代の設定。無茶苦茶である)として脇を固める。

さらに、Vシネマ四天王の1人として君臨していた、竹内力も少年課の刑事・久能として出演。勢いさえあればなんでもアリかと思わせる山口雄大監督の英断力の男気が、そもそも無茶苦茶である(笑)。

また、三郎に近づく、原作屈指の人気バカ策士キャラ・河合星矢役に、インパルスの板倉俊之のキャスティングも、お見事!

原作キャラと顔の造形が似ているわけではないが、どこか策士っぽく、板倉の芸風と合っているいることを見抜いた山口監督の選球眼は確かなもの。

ストーリー自体は、まったく頭に入ってくるわけでもなく、何やってんだかよくわからないのだが(笑)、上記に挙げた演者たちの表情や立ち振る舞いを観るだけでも、非常に面白い。

くどいようだが、監督から演者まで、くだらない人がくだらない人を呼び集めた、究極のくだらない映画である。

しかしである。そもそもヤンキー漫画は頭を使って読むものではないし、読み終わったあと理屈を並べて品評するものではない。その点、本作は頭空っぽで楽しめる、ヤンキー漫画実写化の王道を極めていると強弁させていただきたい。

(文・ZAKKY)

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