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味方になったら心強い冷静なブロッカー

月島蛍(つきしま けい)

演じるなら、この人!
~水上恒司~

水上恒司
水上恒司Getty Images

月島は、日向・影山と同じ1年生であり、ポジションは日向と同じミドルブロッカー(MB)。

同じポジションでも影山とのコンビネーションで攻撃を主体とする日向とは対照的に、冷静に相手の動きを観察し、巧みな駆け引きとリードブロックでディフェンスの要を担う。

かなりの毒舌家であり、出てくる言葉はすべて皮肉であるため、日向・影山に対し、序盤はキツい言葉を投げかける場面もあった。

熱しやすく暑苦しいとも言えるメンバーが集まっている烏野高校バレー部において、冷静で一見涼しげに見える月島。そんなニヒルなキャラクターを、決して嫌味にならず、スマートに演じることができる俳優といえば、水上恒司以外に思いつかない。

水上は、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(2023)で特攻隊員の佐久間彰を熱演。スタイルの良さはもちろんだが、福原遥演じるヒロインを真剣に見つめるその眼差しの強さは、試合中に状況を冷静に見つめる月島の視線の鋭さに応用できるのではないか。

また、月島は過去の事情により、物語途中までバレーボールに真剣に打ち込めずにいた。誰にも言えない葛藤を抱えた鬱屈した面を持つキャラクターは、水上の得意分野だろう。

映画『死に至る病』(2022)で、死刑囚に翻弄される大学生・筧井雅也を演じたが、雅也は両親との関係は不仲で偏差値の低い大学に通うことにコンプレックスを感じている。一言でいえば暗い役柄だが、水上は誇張を含まない自然な演技で、内面の闇を巧みに表現し、映画ファンから高く評価された。

懸念点をあげるとするならば、まなざしの芝居に存在感があり過ぎるということだろうか。メインキャストの一人を演じたフジテレビ系ドラマ『真夏のシンデレラ』(2023)では、仁村紗和演じる理沙にアプローチをしていたが、ネットでは一部で「目が怖すぎる」という声も上がった。

とはいえ、恋愛ドラマであれば強すぎて違和感をもたしかねない目線も、スポーツ物であればプラスに働いてくれるに違いない。水上であれば、月島を見事に演じてくれることだろう。

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