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人生を映画化したら面白そうな日本のミュージシャンは? ガチで妄想キャスティング。矢沢永吉や椎名林檎を演じてほしい役者は?

text by ZAKKY

昭和、平成、令和と、世代を超えて伝説となっている日本のミュージシャン。楽曲やパフォーマンス、ビジュアルはもちろん、その人たちの波乱万丈な人生を、もし伝記映画するなら、どんな配役がふさわしいだろうか…? 今回は、勝手に脚本を考えながら、演じてほしい俳優まで選出し、なるべくリアルにシミュレーションする。(文・ZAKKY)

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「新宿系自作自演屋」の波乱万丈な半生

椎名林檎

演じるなら、この人!
~アイナ・ジ・エンド~

ミュージシャン妄想伝記映画
左からアイナジエンド椎名林檎Getty Images

東京の生活にまだ馴染めない、20歳そこそこのある女性は街を歩いた後、このような詞を何となく綴った。

「頬を刺す 朝の山手通り 煙草の空き箱を捨てる」

「蝉の声を聞く度に 目に浮ぶ九十九里浜 皴々の祖母の手を離れ独りで訪れた歓楽街」

歌手を夢見て上京して来たうら若き、しかし、どこか大人びた色気と雰囲気を醸し出す彼女は、「東京」という街を鋭い眼差しで見つめながら、自身の楽曲と歌声を世に伝えることを決意する。

彼女は、後に椎名林檎という名前で知られることになる。。様々な楽器をこなせる彼女であるが、元々はドラマーだっため、ビートルズのドラマーであるリンゴ・スターの名前をもじったものだという。

中学生時代に、バンドを結成し、体育祭では女子の応援団長を務め、高校生時代には、学級委員長を務めるなど、活発な少女であった。

また、高校性時代にはバンド『Marvelous Marble』で第9回「TEENS’ MUSIC FESTIVAL」に出場。奨励賞を受賞した。しかし、高校2年の3学期が終わると同時に高校を中退し、ピザ屋などのバイトをしながらデモテープを作る日々を送った。

1996年、「The 5th MUSIC QUEST JAPAN」の大会関係者からソロ転向を勧められ、全国大会決勝戦では「椎名林檎」として出場。後にスマッシュヒットを飛ばすこととなる「ここでキスして。」を披露し、優秀賞を獲得。

そして、1998年、シングル「幸福論」にて鮮烈のメジャーデビュー。セカンド・シングル「歌舞伎町の女王」では、当時、流行っていた「渋谷系」をもじった「新宿系」を名乗り、そのソングライティング能力・歌唱力・ファッションセンスも含め、瞬く間に、例えるなら安室奈美恵とはまた違うベクトルの時代のアイコンとなる。

その後、名作曲家である亀田誠治らを有するバンド「東京事変」も結成。昨今ではAdoとのコラボ曲を発表したのも記憶に新しい。

さて、椎名林檎を演じられるのは、誰か!?

パンパカパーン! 昨年解散した「BISH」の、アイナ・ジ・エンドしかいないと断言したい!

アイナ・ジ・エンドは、ソロアルバムでは、作詞作曲も手がけており、椎名林檎同様「自作自演屋」でもあり、ミュージックシーンにおいて、今後の活動も非常に見逃せない存在である。

さらに、昨年公開された岩井俊二監督による『キリエのうた』(2023)では、主演を務め、劇中のオリジナルサウンドトラックも手がけた。ストリートミュージシャンであるキリエを持前の歌唱力も然ることながら、感情豊かな表現力で見事に演じ切り、観る者の涙腺が崩壊しまくったことは、記憶に新しい。

ここまでくると、『椎名林檎・自伝(仮)』の監督はぜひ、岩井俊二監督にオファーを出したい次第である(どの立場から言うとんねん)。

いや、岩井俊二監督が生み出す淡々とした世界観で、例えば、椎名林檎の出産や離婚といったプライべートなシーンなどを、それこそ、アイナ・ジ・エンドが演じたら、どう映り、どう見えるのか? 非常に興味深いのである。

きっと、アイナ・ジ・エンドがこのようなオファーを受けたら、「椎名林檎さんは、あまりに憧れすぎて、私なんかが…」と、まずは拒否をするであろう。

しかし、2022年の舞台『ジャニス』にて、ジャニス・ジョプリン役を好演したことを、筆者は見逃さない。

「ジャニス・ジョプリンを演じて、椎名林檎は演じないというのですか!」と、詰め寄るつもりだ(だから、どの立場から言うとんねん、という話なのだが(笑))

何にしろ、アイナ・ジ・エンドが歌う『罪と罰』『歌舞伎町の女王』などを聴きたいと思っているのは、筆者だけではないはずだ。歌手としても俳優としても魅力溢れる彼女が、この妄想といつか邂逅することを願うばかりである。

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