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パズル映画の巨匠・クリストファー・ノーランの原点

『メメント』(2000)

クリストファー・ノーラン監督
クリストファー・ノーラン監督【Getty Images】

上映時間:113分
製作国:アメリカ
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン
キャスト:ガイ・ピアース、キャリー=アン・モス、ジョー・パントリアーノ、マーク・ブーン・ジュニア、ラス・フェガ、スティーヴン・トボロウスキー、ジョージャ・フォックス、ハリエット・サンソム・ハリス、カラム・キース・レニー、ラリー・ホールデン

【作品内容】

保険会社の調査員・レナードは、愛する妻を目の前で殺されたショックで10分間しか記憶を保てない前向性健忘症になってしまう。本作では、ポラロイド写真や身体に彫られたメモを手がかりに、彼が犯人を探す様子を斬新なストーリーテリングで描く。彼は果たして犯人を見つけられるのか。

「処女作には、その作家の全てが表れる」と言われることがよくある。この言葉が本当ならば、本作にはノーランの全てが詰まっているのかもしれない。

本作は、『インターステラー』や『インセプション』で知られるパズル映画の名手・クリストファー・ノーランの商業映画第一作。原案を弟のジョナサン・ローランが務める。

本作最大の特徴は「ストーリーが本来の出来事とは逆の順で進行する」という複雑なシナリオである。時系列が逆向きの「モノクロパート」とそのままの「カラーパート」が交互に挿入され、終盤になるにつれ一点に収束していくのも特徴である。

これまで、「時間の操作」がテーマの作品を多く制作してきたノーラン。そこから垣間見えるのは、時間芸術である映画の可能性に挑戦しようとする彼の気概である。そうした意味で本作は、彼自身の試金石といえる作品である。

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