歌姫・あゆは演技力もハンパなかった!
浜崎あゆみ
『渚のシンドバッド』(1995)
上映時間:129分
製作国:日本
監督:橋口亮輔
脚本:橋口亮輔
キャスト:岡田義徳、草野康太、浜崎あゆみ、高田久実、山口耕史、勇静華、村井國夫、根岸季衣、山口美也子、趙方豪
【作品内容】
男性同士の恋愛をテーマに据えた先駆け的な作品。高校2年の伊藤と吉田は、クラスメートからホモカップルと冷やかされるが、吉田は優等生の女子・清水と付き合ってるので、嫌がらせやいじめの対象にはなってない。そんな彼らにレイプされた経験のある転校生・相原(浜崎あゆみ)が加わり、三角関係から四角関係になってゆく。
【注目ポイント】
若者たちの繊細な心情をリアルに描いた青春映画として秀逸な作品である。また、同性愛をテーマにした作品を手がけることが多い橋口亮輔監督の卓越した表現力がキラリと光る。
それに加えて特筆したいのは、現在では女優としてのイメージはまったくないと言っていい、浜崎あゆみの繊細な演技である。本作では、あゆ扮する果沙音が、心の闇を垣間見せながら、男子たちの気持ちをかき乱す、小悪魔的な存在となってゆく過程が見応え抜群なのだ。
歌手としてはもちろん一流だが、女優も続けてほしかった。いや、今からでもまだ遅くない! と思わせる、”役者・浜崎あゆみ”を堪能できる名作であり、多様性の時代に先鞭をつける日本映画史に残る重要作だ。