ギャルを演じる工藤遥に感動
ドラマでは、どん欲で戦闘的なギャルたちもしっかり描かれている。当時JK(女子高生)たちは、無敵な存在だった。今が楽しければいい。自分には「若さ」という価値があるのだと、そのパワーを攻撃的に使い、生き散らかしていた。
翌年の1996年には「援助交際」とコギャル文化のキーワードが流行語大賞トップテンに入っていることからもわかるように、女子高生のパワーは、本当に危なくもあった。短いスカートを履き、錆びたような茶髪と顔色がすこぶる悪映えするメイク! 頭にはなぜか大きな花が飾られ、目が痛い眩しさだった。その輝きを、いとも簡単に消費していたのだ。
そのあたりも様々なシーンで描かれている。オッサンとラブホに行き、お金をもらおうとするギャル。カラオケで歌いまくり、煙草ぷかぷか、下ネタガンガンのギャル!
そんなギャルの一人、恵理子を演じているのが工藤遥。元モーニング娘。として活躍し、グループを卒業したのが2017年。現在24歳で、少し大人びてはいるが、可憐なルックスはそのままで、高校生役がビシリとハマっている。
カラオケ店で秋久に絡むシーンは、ものっすごくタチの悪いJKなのに、なぜか和やかさがあった。なんといっても彼女は声がいい。低くドスが利いているけれど、明るくニュートラル。そのあたり、ちょっと『虎に翼』(2024、NHK総合)の伊藤沙莉と似ている。