キーマン、三浦貴大の姿にビックリ!
不安というパワーで動いていた1995年。翌年、1996年の流行語大賞には「閉塞感」という言葉もランクインしている。彼らが本当に欲しくて手を伸ばしたのはきっと、閉塞感からの突破口。
「この苦しい時代からの出口、別の世界への入り口」だったのかもしれない。そして、それを探してもがく若者たちの生命力と、鋭く不安定な感性が、独特な輝きを持って世の中を照らしていたのも間違いない。
それは悪い大人たちの格好の餌食でもあり、ドラマも、どんどんと負のループに入っていきそうだが……。
そこで、一人気になる怪優が。翔に声をかける、明らかにあやしい実業家「牧野」という男。丸々とした割腹のいいこの俳優、どこかで見たような。エエッ、三浦貴大!!
いやはや、この間配信で『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022)を観たばかりだったので、あまりの変わりように5度見くらいしてしまった。見事な「胡散臭さ」が出ていて、この人も憑依系俳優だと感心した。立っているだけでムンムン漂うヤバさ――。どう考えても、今後面倒なトラブルを放り込んでくるキーマンである。
私は原作を読んでいないので筋を知らないが、なぜか私の最推しであるマルコが死んでしまう予感がして怖い。だいたい、こういうドラマの場合、純粋末っ子不思議キャラは、騙されるかなにかして、悲惨な状態に追い込まれるのだ(泣)。
とはいえ、私のカンはよく外れる。今回も外れますように……。
(文・田中稲)
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