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明墨にとっての“真の敵”

『アンチヒーロー』第6話より ©TBS
アンチヒーロー第6話より ©TBS

裁判を前に明墨は、紗耶(近藤華)が育った児童養護施設でボランティア活動をする裁判官の瀬古成美(神野三鈴)と接触していた。そしてその瀬古が、沢原の事件を担当することになる。

公判で証言台に立った上田は、GPS発信器を取り付けられていたことを語り、それは赤峰の仕業であると主張する。そして裁判長の瀬古は、このような手法で入手した証拠を全て却下する。それを知った伊達原は高笑いだ。

紫ノ宮は司法修習生の同期で検察官の森尾(沢村玲)との会話で、伊達原が糸井一家殺害事件に裏で関わっていたことを知る。その実績が買われ、伊達原は異例の出世を果たしていたのだ。また、紗耶についても調べていた紫ノ宮は、紗耶は志水の娘なのではないかという仮説を立てる。

赤峰と紫ノ宮は、これまでの裁判を整理し、明墨にとっての“真の敵”を探る。その人物こそ、最高裁判事の座を狙う瀬古であり、あろうことか瀬古と伊達原は裏で繋がっていたのだ。狙い通りに事が進み、2人は祝杯を上げるが、伊達原の闇を暴くことを最終目的とする明墨は、その前に瀬古を倒すことを心に誓うのだった。

日本の司法における裁判官と検察官の密接過ぎる関係性は、現実の世界でも度々、問題とされるが、無実の人間に死刑判決を下し、それぞれが自分の出世のために利用し合う、司法界の醜悪さを描いたリアリティー溢れるシーンといえる。

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