永瀬廉”倖生”の前髪に注目すべきワケ。過去の事故との関わりとは? ドラマ『厨房のありす』第4話考察&感想レビュー
門脇麦、永瀬廉共演のドラマ『厨房のありす』(日本テレビ系)が放送中。自閉症スペクトラムの料理人・ありすと周囲の人が絆を結ぶ中、過去のとある事件がやさしい世界に波紋を起こすハートフル・ミステリー。今回は『厨房のありす』第4話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
ありすと倖生の関係の行方は
「俺は、ありすが言ってくれたような人間に、人を幸せにする人間でありたいと思った。そういう人間になることを、諦めたくないと思ってる」
『厨房のありす』(日本テレビ系)第4話。ありす(門脇麦)に向かって語りかける倖生(永瀬廉)の瞳があまりにもまっすぐで、いつの間にか涙があふれていた。第1話と比較すると、倖生の顔が全然ちがっていて。
ああ、この子はこれまで心許せる場所がなかったのだろうな。そして、自分にはそんな資格はないと諦めて。たったひとりで孤独を抱きしめながら生きてきたのだろうな……と思って、胸が締め付けられた。
そんな倖生に、居場所を与えたのが、ありすであり、心護(大森南朋)であり、和紗(前田敦子)だったのだ。彼らは、けっして倖生を腫れ物扱いしない。
時には土足で入り込んでくるし、「前髪がうっとおしいからしばれ」なんて面倒くさいことも言ってくる(前髪を赤クリップで止められている倖生がとてつもなく可愛いのでぜひチェックしてほしい)。しかし、倖生にとってはそんなおせっかいが心地いいのかもしれない。
ASDのありすには、周囲には理解されないこだわりがあって、他人と関わるのがそんなに上手ではないけれど、倖生は全力で寄り添ってあげている。ただ、倖生にはやってあげているという感覚はない。居場所をくれたありすへの恩返しとして、全力で尽くしている。だから、倖生自身も苦に感じていないのだろう。
この2人が恋に発展するのか、それとも家族愛のようなものに変化していくのか。まだ分からないけれど、そんなことはどっちでもいいような気がしてくる。ただ、そばにいて、お互いに心地いいなと思えて、より自分を好きになれるのなら、形にとらわれなくてもいいのではないかと思えてくるのだ。