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ありすは、初めて花火を美しいと思えたのかもしれない

門脇麦【ドラマ『厨房のありす』公式インスタグラムより】
門脇麦ドラマ厨房のありす公式インスタグラムより

ありすは、大きな音が嫌いだ。少しでも大きな音を出されると、いつも耳を塞いでしゃがみ込んでしまう。そのため、ドーンと爆音が鳴り響く打ち上げ花火なんてものは、もってのほかだったのではないだろうか。

「わたしのこと好きになる人はいません」「わたしには愛される資格も愛する資格もない」と恋愛から距離を取ってきたありすは、恋人と花火大会に行く……というベタな経験もしたことがない。

そんなありすが、倖生と一緒に花火を楽しむことができた。もしかしたら、ありすはこの日、初めて花火を美しいと思えたのかもしれない。急に音が鳴ったから怖くて耳を抑えてしまったけれど、勇気を出して顔を上げることができたのは、隣に倖生がいてくれたから。

ありすは、着実に倖生に心を許し始めている。この人なら、安心できると思えるようになったのは、倖生が信頼されるために努力を重ねてきたからだ。

自分は大きな音が苦手だから、花火を楽しめるわけがない。そんなふうに、さまざまなことを“無理だ”と決めつけてきたけれど、一歩踏み出してみたら、目の前には綺麗な景色が広がっているかもしれない。まるで少女のように、目を輝かせているありすを見て、これからたくさんの“初めて”と出会ってほしいなと思った。

ありすをずっと守ってきた心護からしたら、ちょっぴり心配な気持ちもあるのかもしれないが、倖生になら任せても大丈夫ではないだろうか。

だって、倖生は目の前で大輪の花火が上がっているにも関わらず、ありすの横顔を見続けていたのだ。彼女の幸せそうな表情を見て、安心したようにフッと微笑む。その姿を見て、倖生は絶対にありすを傷つけるようなことはしないと確信した。

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