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小泉今日子への“オバサンいじり”に込められたメッセージとは? ドラマ『不適切にもほどがある!』第8話考察レビュー

現在放送中のTBS系金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』。「1回しくじったらダメですか?」と題した第8話は、不倫したアナウンサーの復帰をめぐり、市郎が「一度の過ちも許さない世間は間違っている」と投げかける。今回の”ふてほど”も、答えの見つからない難問に挑む。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

「たった一回の過ちも許されない世の中は間違っている!」
“不倫”をめぐる市郎VS世間の争い

ドラマ『不適切にもほどがある!』第1話より ©TBS
ドラマ不適切にもほどがある第1話より ©TBS

純子(河合優実)を追いかけて令和にやってきたムッチ先輩(磯村勇斗)。喫茶SCANDALでは、全く同じ顔をした秋津親子が対面するという奇妙な光景が広がっていた。

場に居合わせた井上(三宅弘城)は、これ以上タイムマシンの存在を知られるわけにはいかないと、ムッチの目の前にいるそっくりな男はドッペルゲンガーで、ドッペルゲンガーに会った者は死んでしまうとムッチ先輩に説明。それを聞いたムッチ先輩は慌ててSCANDALを飛び出してしまう…。

その頃、市郎の元には端正な顔立ちで人気のEBSテレビアナウンサー倉持猛(小関裕太)がカウンセリングに訪れる。倉持は、3年前に女性アスリートと不倫したことが原因で、仕事を干されているのだという。

キャスターを降ろされた倉持は、雑用やAD業務など裏方仕事に従事。2年余りの禊を経て、いよいよキャスターへ復帰するというところだったが、この春からリスクマネジメント部の部長に就任した栗田(山本耕史)によって、復帰は白紙に戻されてしまった、という相談だった。

市郎は栗田の元へ出向き、たった一度の過ちで3年も不当に閑職に追いやるのはパワハラであると異議を申し立てる。

栗田は市郎の説得に応じ、朝の情報番組「朝ッパラTIME」の街頭ロケに倉持を出演させて世間の反響をみることになったのだが、結果は最悪なものとなった。

朝5時45分の放送をリアルタイムで見ていた人のSNSへの書き込みはたった2件だけだったものの、その投稿がWEBライターの目に留まり、多数のメディアによってコタツ記事が量産され、一気に拡散される事態となる。

放送を見ていない人が次々に倉持の復帰に対するアンチコメントをSNSに投稿し、「そもそも放送を見ていないけど今後も番組を見ない」など、好き勝手なコメントがネット空間に散乱する。

この状況に、栗田は「もはやテレビが向き合うのは視聴者ではなく、見ていない連中だ」と批判。ネットの騒ぎは加速して「朝ッパラTIME」のスポンサー企業に飛び火し、不買運動まで起こってしまう。これにより、倉持復帰の代償の大きさが明白となった。

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