上地雄輔演じる道綱の“憎めない魅力”
まひろとさわの関係も家族ではないし、友人とも少し違う気がする。血の繋がりはないが、姉妹のように心を許しあっている2人。そんな彼女たちの間には穏やかな空気が流れており、石山寺に向かう途中、さわの「私たち、このままずっと夫を持てなければ、一緒に暮らしません?」という言葉に、まひろが「それはまことによいかもしれません」と笑顔で答える場面が微笑ましかった。
だが、そこに水を差したのが道綱だ。どうやら、さわは道綱に一目惚れしたよう。一方、道綱は自分に会えて感激するまひろの方に好感を抱いており、その夜に夜這いをかける。だが、間違ってさわの布団に潜り込んでしまった道綱。自身も妻がおり、妾の立場に苦しんだ母親を見て育ったにもかかわらず……と呆れつつも、慌てて取り繕う姿は上地雄輔が演じているのも相まって何だか憎めない。
でも、それによって深く傷ついてしまったさわは、「私には才気もなく、殿御を惹きつけるほどの魅力もなく、家とて居場所がなく……もう死んでしまいたい!」と卑下する。こういう経験、女性なら一度は経験があるのではないだろうか。友達のことは大好きだし、魅力も分かっているけど、嫉妬でおかしくなりそうなあの感じ。
一度そうなると、なかなか純粋に相手と向き合えなくなるものだけど、さわとまひろの場合はどうだろう。これで2人の関係にヒビが入ったら、道綱はどう責任を取ってくれるんだか。
(文・苫とり子)
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